石油需要と鉱工業生産 | よそうかい - トレーダーの独り言 2

石油需要と鉱工業生産

今日のNY原油は俗に言う、行って来いの展開
一時62ドル割れに迫るところまで売られたものの、
午後からは急速に買い戻され最終的には前日比プラスで終了した。

このあたりが当面の底となるのか、
それとももう一段売られ60ドルの大台割れを試すのか・・・
週の終わりになかなか悩ましい引け方をしたと言えよう。

本日はまた、この先の相場を見る上で
ぜひ注目しておきたい指標が発表されている。
といっても、石油需要見通しを引き下げたOPEC月報ではない。

米鉱工業生産指数と消費者物価指数(CPI)だ

8月の鉱工業生産は前月比マイナス0.1%と、今年1月以来の低下。
7月が大幅に上方修正されたことも影響しているのだろうが、
指数の伸びは明らかに鈍ってきている。
同時に発表される設備稼働率も前月から下がっている。

ここまでの原油価格の上昇は、
米国や中国をはじめとした需要の伸びが
大きな原動力になってきたのは
誰もが認めるところ。

その需要の伸びを見る上で、
私が結構重点を置いているのが
この鉱工業生産指数。

あまり複雑な分析は嫌いなので、
単純にこの指数の伸びが鈍ってきたら
石油需要にも黄信号が灯ると考えている。

確かにイランやナイジェリアなど、
供給面で多くの問題を抱えているのは事実だが、
原油在庫が過去5年の平均を大きく上回る水準にある限り、
こうした供給不安は一時的な材料にしかなり得ない。

国連安保理でイランへの制裁が決議され、
イランが対抗措置としてホルムズ海峡が閉鎖した場合は
価格は80ドル以上に急騰するとは思うが、
それはあくまでも一時的な異常事態と考える。

世界的に怪しい雰囲気が漂っている経済が回復し、
需要が力強く伸び続けていかない限り
70ドル台の原油価格はやはり高すぎる。

そうなってくると、ますます重要になってくるのは
やはりアメリカの経済で、それはすなわち
バーナンキ議長率いるFRBの金融政策ということになる。

原油価格が軟調に推移する中、
それでもインフレへの警戒の手を緩めないのか、
それとも、一気に景気重視の姿勢に転じるのか・・・

鉱工業生産に先んじて発表された8月のCPIは
前月比こそ0.2%上昇と無難な数字だったが
前年比では全体の指数こそ3.8%上昇と前月の4.1%から下がったものの、
コア指数は2.8%上昇と01年12月以来の高い伸びを示している。

これでは全面的に景気重視と言うわけにもいかないだろう。

米経済はこの先も急速な回復は期待できそうにない。
原油価格もいずれ60ドルを割り込むことになるだろう。

一ヵ月後に次の鉱工業生産指数が発表される頃に
大台割れが実現している可能性はかなり高いと見ている。