さて第3試合は注目のタッグマッチ、石川雄規&臼田勝美vs冨宅飛駈&山本喧一 。3カウントフォール無し、KOかギブアップで勝敗が決するバトラーツルールでの一戦。
UWFの3文字なんて、最近のプロレスファンには「歴史の授業で耳にする単語」みたいなものなのかな? リアルタイムで経験しているオレにとっては特別なモノなんだ。
華名が『カナプロ』でこだわっている「プロフェッショナルのレスリング」。現在のプロレスは本当に多種多様なスタイルに細分化されて、同時にその様々なスタイルを支持するファンが存在している。けれども“プロレス”と名乗る以上プロとして恥ずかしくない技量、舐められない技術を身に付けていることが大前提ではないか? 言い換えるならば「強さ」を身に付けた者だけが上がるリング、それがプロレスではないか?
リング上におけるUWFとは、今思うとプロレスにおける壮大な実験の場であったかもしれない。それまでのプロレス界において置き去りにされてきた、忘れ去られようとしていた「プロの技術を究めること」がUWFのリングに上がる者の使命であったのだと解釈している。
そのプロの技術を知らしめるために、装飾を取り払った闘いぶりこそが「UWFスタイル」と呼ばれるものであったのだろう。そして華名の闘いぶり、目指すスタイルに通ずるものがUWFスタイルなのであろう。
その華名の目指すスタイルを体現できる選手が4人揃ったのが、この第3試合だった。
静かな展開。しかしそれは決して退屈などではなく息詰まる緊張感あふれるもの。
緊張感を生んだ原因のひとつはヤマケン(山本喧一)が、しきりと石川雄規を意識していたからだった。
久しぶりにプロレスのリングに登場したヤマケンはひじょうにコンディションが良さそうだった。
ヤマケンに限らず、4選手とも動きが良かった。腕の取り合い、足の取り合い、キックの一発であっても、いつ決まってしまうか見逃せない闘いだった。
そう。闘いがあった。
時代が移り、あらゆるスタイルのプロレスが生まれたとしても、リング上では勝敗を決するのがプロレス、闘いを見せるものがプロレス。
その根源的なものを、女子のプロレスでも忘れてはならない。それは勝負論だの観客論だの言う以前の大前提。当たり前のことを当たり前に出来ずして、何がプロフェッショナルか!
実践でブランクのあったヤマケンでも、常日頃からプロとして己の技術に磨きをかけていたからこそ、ほかの3人に引けを取らない緊張感のある闘いを披露出来たのではないだろうか。そのヤマケンの動きに負けまいというように石川らの動きもいい。
見よう見まねのプロレスごっこで出来るものだけがプロレスの技術ではないはずだ。精神論だけで片付けられる類のものではないはずだ。じゅうぶんな練習に裏打ちされたプロフェッショナルの技術をお披露目するのがプロレスのリングではないか!
誤解されては困るのでことわっておくが、オレは何も「UWFスタイルが絶対」とは言わないし自分自身、幅広いスタイルのプロレスを楽しんでいると思う。新日本も見ればWWEも見るし、DDTも好きだし、みちのくやバトラーツも好きだ。
だが華名という選手の目指すもの、見せるもの、そしてこの大会でこのカードが組まれた意味。それを考えると、プロレスはもっと楽しめると思ったのです。
カナプロ京都、第3試合は臼田勝美がヒザじんたい固めを決めて冨宅飛駈がギブアップ。石川&臼田組が勝利を収めた。
つづく!
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