全日本プロレス『プロレス LOVE in 両国国技館 vol.１１』 をスカパー・ペイパービューで観戦した。
今回は急きょ、東日本大震災チャリティー興行として開催され、試合前に全選手が登場し震災で亡くなられた方へ黙とうを捧げた。
その後リング上にブードゥー・マーダーズの面々が集まり、いつもの憎々しい口調ながらも大会の盛り上げ役を買って出る。
と、ここでリーダー・TARUが呼び込んだのはなんと休業中の"brother"YASSHI（ブラザー・ヤッシー）。
得意のマイクで客席を促し会場全体で「ゴキゲンちゃん」エールを東北に送り客席のムードを明るくしてくれた。
画面に映し出された客入りは厳しい。パッと見で半分の入り。
節電に配慮しリング内外にそれほど差がない照明設定のため客席のようすがモロにわかる。
それが余計に会場の空席度合いを目立たせている。
第１試合 渕、宮本ｖｓゾディアック、中之上
ゾディアックが日の丸をマントに仕立てて登場。
４者とも手首や上腕などに黒テープを巻いている。喪章だ。
この日は全選手が喪章を身に着けていた
客入りはさびしいが選手の奮闘ぶりにみんなが素直に反応して沸いている。
まるで客席が選手と一緒になって大会を盛り上げようとしているかのようだった。
第２試合 カズ、KAIｖｓBUSHI、大和
ジュニアらしいめまぐるしい展開。過度なハイスパートにもならず、それでいて飽きさせない。面白かった。
第３試合 ベイダー親子、浜ｖｓTARU、デュプレ、MAZADA
浜はベイダーコスチュームで登場。瓜二つ過ぎてTARUも苦笑い。
ほぼリタイヤ状態のベイダーよりも息子のジェシー・ホワイトに注目。
上背では父よりも大きい？ 顔つきも精悍。さすがにキャリアの浅さは隠せなかったものの将来性はうかがえた。
パパ・ベイダーも思ったよりは動けていた。
（ところでベイダーのあの甲冑って、普段はどこで保管してるのかしらん？）
オープニングでは会場内を盛り上げるのにひと役買ったVMだが試合ではポリタンク、消火器攻撃（by スーパー・ヘイト）とヒールらしさを見せつけた。
やや混沌としてドタバタした展開になったのが残念。
試合後にベイダーがマイクを持ち「ニッポン、ガンバッテ」。そして英語でメッセージを送ったがこれが長い！通訳もいないので意味はよくわからず（激励してくれてるんだとは思うが）。ただ、英語が苦手なオレだが息子＝ジェシーにWWEからのオファーがあるというくだりは聞き取れ、ちょいと親バカに映りました。
第４試合 アジアタッグ選手権試合 【王者組】征矢、真田ｖｓ【挑戦者組】関本、岡林
２度にわたる３０分時間切れを経てのタイトルマッチ。
パワフルな征矢＆テクニック・跳躍力の真田に対し、これ以上のパワフルな日本人コンビはいないのでは？と思わせる挑戦者チーム。タイプの似た３者に囲まれた真田がカギを握る試合と予想。
先発の征矢と関本はのっけからケンカ腰でぶつかり合う。
日本最古の由緒あるベルトが若い選手たちによって幾度目かの脚光を浴びるのは喜ばしいことだ。
PPV中継音声には熱狂的な関本ファン（大日本ファン？）の声援が大きく響いて聴こえ、ちょっとウザいぐらい（決して悪いことじゃありません ^_^;）。
１５分を迎えてもじっくりと、尚且つ力強い攻防でタイトルマッチらしい重厚な展開。個人的に期待していた真田はミサイルキックやジャパニーズレッグロールクラッチなど所々で“らしさ”を見せるが３人のパワーにかき消されてしまった感じ。
そしてとうとう３０分を超える激闘を制したのは関本大介、問答無用のぶっこ抜きジャーマンスープレックス。
まるでこの試合がメインエベントではないのかと思わせるほどの素晴らしい試合。凄い試合だった！
そしてキャリア３年未満でありながらもほかの３人にまったく見劣りすることなく闘い抜き初戴冠を遂げた岡林裕二はとてつもない、いや末恐ろしい若者と言っていいだろう。
第５試合 武藤敬司ｖｓ橋本大地
今月６日、蝶野正洋を相手にデビューしたばかりの橋本大地のプロ２戦目。
見る者にはどうしても亡き父・橋本真也と蝶野、武藤の揃い踏み「闘魂三銃士」に思いを馳せてしまう。
先輩レスラーによるアジアタッグ選手権試合の後に組まれ武藤との対戦カード。通常の新人選手では考えられないほどの厚遇だ。今後、同世代や先輩選手からジェラシーが生まれて当然だろう。これはもう橋本真也の息子として生まれ、プロレスラーという道を選んだ彼の宿命だ。
序盤、グランドレスリングで大地の力量を図るかのような武藤の動き。
徐々に低空ドロップキックやドラゴンスクリューなど武藤得意の膝攻めに苦悶する大地という図式に。
しかし得意のキックや膝蹴りだけでなく武藤敬司を相手にSTFやシャイニングウィザードを見せるなど、橋本大地の豪胆さ、大胆不敵ぶりには驚かされた。
最後は武藤が最近では滅多に出さないムーンサルトでピン。橋本大地の、その心意気に打たれたか、あるいはテレビ解説席にいた蝶野の言うとおり「ご祝儀」にすぎなかったのか？ オレは前者だったと思いたい。
ここで前半終了。いやあ、面白い。ここまでのところPPV購入して大正解だ。
