吉永小百合の「伊豆の踊子」を観た | アジアの季節風

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 昨日の午後NHKのBS1で映画「伊豆の踊子」を放映していたので観た。

 

 平日毎日はこのチャンネルでこの時間帯に映画が放映されるのは知っているので、一応新聞のテレビ欄で何時もチェックはすることにしている。

 

 映画の「伊豆の踊子」と言ってもこれまでに色々あったみたいで、昨日私が観たのは1963年に上映された吉永小百合版だった。

 

 調べてみると最初は1933年の田中絹代版、そして1954年の美空ひばり版、1967年には内藤洋子版もあり、1974年には山口百恵版もあったようだ。

 

 さてその1963年と言えば東京五輪の前の年で、私は中学2年生の時だった。

 

 その頃の私は映画の分野では少々マセた少年だったので、当然この映画の事も知ってはいたが、その当時は洋画に夢中だったので、邦画は観てなかった。

 

 なのでその当時も評判にはなっていたが、実際にこの映画を観たのは今日が初めてだった。というかどの「伊豆の踊子」も観たことはない。

 

 また原作の川端康成の小説も読んだ記憶があるような、ないような、ちょっと曖昧だ。

 

 私はその当時から吉永小百合という女優はそれ程好きという訳ではなかったが、それでも何本か彼女が主演の映画も観たことはある。

 

 しかし今回この映画を観て、改めてあの当時の彼女は確かにチャーミングだなと思ったし、良い女優さんだなとも思って少し見直しをした処もあった。

 

 また一高生役の高橋英樹もまだデビューして間もなかったようで、あの頃はまだ初々しくて中々好感が持てた。

 

 そして何よりもあの時代(明治末期)の温泉宿の街並みの雰囲気がなんとも良いなあと思った。

 

 まだ西洋文明が入り込んでいないような純日本風の雰囲気にちょっと痺れたりもした。

 

 またあの頃は、学生さんというものがある程度尊敬される存在だったんだなあ、とちょっと羨ましくも感じた。今と比べるとエラい違いである。

 

 最後の別れの場面にはちょっと泣かされた。兎に角久しぶりに映画らしい映画を観た感じがした。