映画「タクシー・ドライバー」を観る | アジアの季節風

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 昨日の午後NHKBSで映画「タクシー・ドライバー」を観た。

 

 

 この映画は1976年公開という事なので、私はその公開時に観たわけだから48年振りに観たという事になる。

 

 私も子供の頃から映画が大好きで、これ迄色んな映画を観てきたが、その中でも一番印象に残っている映画の一つがこの映画だった。

 

 それ程この映画は大きな衝撃と感動を私に与えてくれたと記憶している。

 

 なので新聞のテレビ欄を見て、この映画がNHKBSで上映されると知った時、何が何でも観て見たいと思った。そして13時にはテレビの前に座って観た。

 

 ただいつも言っているように、私はNHKでもBS分の視聴料は払っていない為邪魔な画像が入り、翻訳の文字が見えにくい処があって少しイライラさせられた。

 

 ただ大筋ではそれ程支障もないので我慢しながら最後まで観続けた。というのも私には珍しくこの映画のストーリーを結構憶えていたと言うのもあるだろう。

 

 この映画の事を全く知らない人のために、ウィキペディアに出ていた簡単なストーリーを以下に貼り付けておきます。興味のある人は見てください。

 

タクシードライバー (1976年の映画) - Wikipedia

 

 私は最初から最後まで、あの頃この映画の何処にあれ程感動させられたのだろう、と思い出しながら観続けていた。

 

 そしてそれが分かった。

 

 それは勿論映画の後半部分の衝撃的な殺戮シーンもあるが、それ以上に前半部分の主人公の何とも言えない殺伐とした心理描写にあった。

 

 あの頃の荒廃したニューヨークの繁華街を、主人公はタクシーで流しながら、「ゴミ溜めの様な街だ!」と何度もつぶやく。

 

 その主人公の世界に対するある種の敵意のようなものが、当時の私の心情と重なる部分を感じたのだろう。

 

 また映画の中の主人公は26歳のベトナム戦争帰りの青年で、私もその当時正に26,7歳だった。そういう共通点ももしかしたらあったのかも知れない。


 私はこの映画を観た後すっかりロバート・デ・ニーロのファンになってしまい、彼が出演した映画を次々と観た記憶がある。

 

 「ディア・ハンター」とか「レナードの朝」等だが、その内に私の脚も映画から次第に遠のいてしまったのだが・・・。

 

 それにしてもあれから半世紀近くも経って再びこの映画に出会い、未だにある感動を得られたという事実は、私にもまだあの頃の気持ちが少しは残っていたんだな、と思えて嬉しいような何か複雑な気持ちになった。