中国人が電気炊飯器をお土産に買って帰る理由 | アジアの季節風

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アジアの片隅から垣間見える日本や中国、あるいはタイを気負うことなく淡々と語る

 良く言われることだが日本に観光でやってくる中国人が、お土産に買って帰るもののナンバー1は電気炊飯器らしい。


 何でそんな嵩張るものを買って帰るのか、日本人にとってはちょっと不思議かもしれないが、中国で生活したことのある私には何となくわかる気がする。


 勿論これは中国人から直接聞いた話ではないが、それは当然中国にはあまりいい電気炊飯器がないからだろうというのは想像できる。


 私が中国で生活したのは4年ほど前になるので、そのころから比べたら今はもう少しマシになっているかもしれないが、とにかくあのころの炊飯器は質がよくなかった。


 炊く機能はそこそこだったと思うが、保温機能が全然駄目だった。炊いてすぐはそこそこ美味しいが、保温にしておくと無茶苦茶まずくなる。


 これは中国だけではなくタイなんかでも同じだった。どちらの国でも保温にしておくと焦げてパサパサになってとても食べられるような代物ではなくなってしまうのだ。


 だから炊いた後残ったものはスイッチを切って冷ましてから冷凍保存していた。その方がずっとマシだったからだ。


 その辺のことを考えると、中国人が日本で電気炊飯器を買って帰る気持ちは私にはよく理解できる。


 もしかしたらそれだけではなく、その他にも理由はあるのかもしれないが、取りあえずそれは大きな理由のひとつなのではないだろうか。


 まあそういうことを考えても、日本の家電メーカーの技術と言うのは本当に素晴らしいものを持っている。


 それはしかし家電だけに限ったものではなく、日本人と言うのは、どんなことに関してでも研究熱心だし色んな工夫を惜しまない民族だと思う。


 米自身だってそうだし、果物なんかだってそうだが、ただ自然に出来るものをそのままと言うのではなく、様々な工夫や品種改良をする。


 それは勿論日本の厳しい自然環境に適応させるためと言う、必然から出てきたものもあるとは思うが、それだけではなく日本人の口に合った美味しいものを作るという努力も同時にしている。


 その点タイや中国のものはいくらかはそういう努力もしているとは思うが、自然のものからあまり改良を加えていないような気がする。


 そういう工夫は酒の瓶等のふたを開けやすくしたりとか、即席ラーメンの袋などを破りやすく工夫したりとか、サランラップを切りやすくしたりとか、とにかくありとあらゆるところでなされている。


 こういうのは日本にいると当たり前のようになってしまって余りそのありがたみも感じないが、外国で生活してみるとそのありがたみがよくわかる。


 ただそれが余りにも過剰になり過ぎて、本当に大事なことを見落としてしまうような、例えば携帯電話のガラパゴス化みたいな形になったりもすることもあるが、大体においては素晴らしいことが多い。


 そういう意味では日本人と言うのはやはり優れた民族だと思うし、そういうことには誇りを持っても良い民族だと思う。


 今日は電気炊飯器の話からエライ所まで話が行ってしまったな(笑)。