皆さん、こんにちわ。
吉村涼子です。

最近は共生関係の病理について
綴って来ました。

それは幼少期におけるストレス下の環境から生じる
として
その環境を掲載してきました。

その中には
暴力的なムードという環境もあることは
18日の記事でお伝えしました。

今日はストレス下の環境で
重要な部分の「性的虐待」について
おおくりしたいと思います。
性的虐待は暴力の中にも入る要素があります。

18日は
下記の文章を載せました。

カウンセリングで
「私は両親に叩けれた事がないので、虐待は無かったと思います」
そうおっしゃるクライアントさんの90%が
重度の暴力的なムードで
育っていたというデータがあります。


暴力的な行為は無かった。
そう言う患者でも、
性的虐待として
暴力にも勝るとも劣らないものを
経験している場合があります。

更に性的利用も含みますと
世の中がいかに性的なショックで溢れているのか
理解できるでしょう。

18日にも書きましたが
皆さんが驚かれるわけは、
性的なものは
生々しいもの以外に
たくさんあるという事実を理解するからです。

つまりレイプとか近親姦とか
痴漢とか
セクハラとか
生々しいものだけが
性的虐待だと世の中が捉えているからです。

性的虐待で明らかなものは
省くとして
心理的な隠れた性的利用をあげてみましょう。

ロビン・ノーウッド著
「愛し過ぎる女たちからの手紙」から
引用してみます。

・子どもの前で卑猥な言葉や表現を用いたり、
 性交や性器のあだ名や呼び名などを口にする。

・性的なことをほのめかしたり、質問したり話題にしたりする。

・セックス商品やポルノ商品などを目に触れさせる。

いかがでしょうか?
ロビン氏はこれらが家族の中で行われ
子どもが虐待されているものを取り上げていますが、
家族以外にもよくある光景です。

雑誌、テレビ、ドラマなどではよく目撃するでしょう。
30年以上前ならデリカシーのない大人たちにより
子どもの目に触れる事は往々にしてありました。

30年前なら、会社などでもこうしたセクハラは
冗談の一部として横行していた時代がありました。

ですから50代、60代、70代の方が
今頃になって
「あれは、ひどいセクハラだった!」と怒りが湧きだす事も
珍しくはないのです。

実際、70代以上の人が
40年以上も前に起こった
セクハラについて
その傷を癒しにカウンセリングを受ける
と言う事も珍しくありません。

他にも
「あの時私は20代でした。病院でお医者さんに
むやみに触られたんです。」
と思い出す人も多いと思います。

「あの時はお医者さんだから、治療で必要だったんだと
自分に言い聞かせていましたが、
間違いなく、エロじじいでした!」
と、その時の屈辱感を癒す中高年の方も
珍しくありません。

40年以上も凍結していたわけですが
消えるどころか
フレッシュに保存されていて、
クライアントさんはその悲しみを
まるで20代の娘のように感じれると言います。

「あの時、私は中学生でした。学校の先生に・・・・
でもお母さんは先生にそんな事思ってはいけない」と
その事実を否定するように言われたのです。
当時は先生は父兄者にとっては神さまのような存在でしたから」

こう思い出し、
当時の恐怖や悲しみを感じ
わんわん泣き叫ぶ高齢者もいました。

性的ショックはきわめて扱いにくい問題です。
ロビン・ノーウッド氏はこう表現しています。
私もそう感じます。

世の中がそのショックに関して
秘密にしよう、という気配もあるし、
加害者はたいてい権力者で
弱い若い女性は
ただただ泣き寝入りしかなかった時代も
あるのです。

正しい知識が
出にくく、
周りの人にも言いにくい。
言っても理解されにくい。

そこまで行っても
「あなたに落ち度があったのでは」と逆に
非難されることもあり、
相手が権力者なら泣き寝入りしかなかったという事も出てきて
非常に扱いにくい分野と言えるでしょう。

ロビン氏は
家庭における性的ショックはきわめて扱いにくいと
言っています。
表に出る事は無い、秘密の事だからです。

更に重要な事を
付け加えて述べています。
下記のようにです。
再び引用します。


・もう一つ忘れてならないのは、
 肉体的暴力は性的要素の強い攻撃だということです。
嫉妬深い母親や所有欲の強い父親によって、殴られる以外に
衣服をはがれ、髪を切られ、持ち物を壊されたという女の子がたくさんいます。

・一方の親が子どもを友だちの代わりにして、夫婦間の(セックス問題を含めた)
こまごました問題を話して聞かせたり、
背伸びさせて一人前に責任を負わせること。

・親の悩みを肩代わりさせたり、悩みから逃れたり、悩みを解決するために頼りにしたり
確認を得るため、または安心するために寄りかかること。

いかがでしょうか?
生々しいものは分かりますが、
親の面倒をみること自体が
性的利用となりえるのです。

昔なら
「〇〇ちゃん、お母さんのお手伝いをして偉いね」と
誉められたことでしょう。
それが性的利用で虐待行為とは
当時の人たちは思いもよらないことでは
ないでしょうか。

ロビン・ノーウッド氏はその豊富なカウンセリング経験から
身体の性的虐待と
精神的性的虐待との差は無いと述べています。

精神的なものは
身体の生々しい親からの近親姦のような行為より
軽いとも限らないとです。
どちらでも性的虐待に変わりはなく、
人を信頼し対等な関係を築くことは
できなくなる
可能性があると言っています。

また「近親相姦」と昔は言われていました。
ロビン氏はこの事にも言及しています。

そもそも相姦とは
お互い同じ大人同士とか
お互い同意の上でのような意味合いがあります。

でも子どもが、果たしてそのような状況下に
あるでしょうか?と言うのです。
そうですね。
言葉自体が「相」を付けているのです。

それこそが子どもの人権侵害です。
ロビン氏はそのため、この言葉は著書では
使っていません。
「相」を取り除いた「近親姦」として
表現しています。

それだけ世の中も昔は
弱い子どもの立場を理解できていなかったと
言うことでしょう。

性的ショックはきわめて扱いにくい問題です。
ですが、放置しておくことは
お勧めしません。

今日お伝えしたように
いくら時がたっても
「消えることは無い」からです。

それどころか温存、冷凍保存してきた分
利息がついているくらいです。

高齢になっても
癒しを行うべきでしょう。

また性的ショックは
その後の人生に間違いない
「負」の影響をもたらします。

癒しは早ければ早いほど
その打撃を受けずに済むのです。

気づいた人が
気づいた時に
行うのがいいと思います。

まさに「今でしょ」なくらいです。

では性的ショックは
どのように影響を及ぼすのでしょうか?
これについては、
また後日に綴りたいと思います。