じわじわと冬が近づき
心はひんやり
近所の空き地では
住宅が建つらしく
トンテンカンと音が響く
今日は間もなく自宅を出て
シルバーの仕事
72歳の労働者
働いても働いても蓄えはできず
同じなら働かないというものぐさ
それでも仕事にしがみつき
貯金の目減りの速度を緩めるだけ
切ない労働
だが仕事のない貧困老人に比べれば
遥かに幸せと自分を慰め
劣化した脳みそにむち打つ
仕事はどんどんいただいているが
期日にはできず
それでも可能な作業を安く請け負うシルバー作業
今回の作業は大人数
老体には重い荷だが
経験でなんとか働かない集中力を補い
前に進むだけ
空は晴れ
心は曇ったまま
明日は明日の風が吹く
昨日の風をあれこれ悩んでも
始まらないのが人生