昨夜、バングラの男の子の母親からメッセージが届きました「息子が事故で、明日勉強出来ません」。事故?どんな事故ですかと返信するも応答なし、電話もつながりません。翌朝もう一度電話をかけると2回目に繋がりました。「先生、交通事故。救急車で病院行っている。私分からない、もうすぐ説明受ける、後で連絡する」、そう言って電話は切れました。やっぱりやったか、それが私の本心でした。彼は無茶苦茶なスピードを出し交通規則無視で自転車を飛ばします。私の車も右から追い抜いて行ったことも有ります。何時かこうなる事は分かっていたので、何度も繰り返して注意していたのですが。

 

その日、何時まで経っても連絡が無いので、夕方電話を入れます。母親は憔悴しており、脳に異常があると医師に告げられたそうです。場所聞きましたか?の問いに、「なんとかまく」だと言います。「くも膜」ですか?と聞くと「そうだ」と言います。驚いて手術するのかと聞くと、どうやらその損傷は今回の事故が原因では無いようです。でも今度何か衝撃を受けると、簡単に出血すると言われたそうですが、どうも日本語が分かっていないので理解に苦しみます。医師からはこれまで学習障害や発達障害が有ったでしょう?と言われたそうです。「でも先生、私言った。うちの息子問題無い、発達障害も無いし。車が悪い」そう母親は言います。「それは違うでしょうと、彼は発達障害ですよ。何時も頭が痛いと言っていたので、つい最近も病院で頭の検査をした方が良いとアドバイスしたばかりですよ」、そう言いたかったのですが、母親は発達障害を認めていません。学校にもWISKテストの結果を黙っておいて欲しいと言われています。でも本当の事を医師には言わないと、診断を間違いますよとアドバイスしますが聞き入れません。

 

こんな時、ボランティアの限界を感じます。個人情報は守らねばならないのですが、男の子の命や将来的な障害はもっと重要です。私も病院に行きましょうかと言いましたが、いいですと断られます。何かあったら必ず連絡下さいと言って電話を切りましたが、母親からは連絡は無いでしょう。母親にとって大切な事は違うのです。幾ら心配しようが、私は意見の異なる部外者に過ぎないのです。心の中で彼の無事を祈るだけしか出来ないのです。