小林製薬の紅麹によると見られる健康被害が報告されています。亡くなった76件に関し小林製薬は調査していると厚生労働省に報告していますが、小林製薬の対応は「厚生労働省から指摘された件をお詫びする」とのコメントしか有りません。テレビで出て来る小林製薬の広告は当初「当社製品と健康被害に関係が有ると報告を受け、お詫び申し上げます」でしたが、それがいつの間にか「一部製品の回収をお願いすると共に、ご迷惑をおかけしお詫びいたします」に変わり、今日のテレビでは「回収をお願いしております。お詫び申し上げます」に変わりました。

 

弁護士団が作成した上手な「お詫び」の広告だなと感心します。最初は紅麹と死者を含む健康被害の可能性についてお詫び(決して関係あると言わない)。次に何かにお詫び(お詫びの対象を明確にせず)。今日は回収をお願いする事に対するお詫びに変わっています。

 

一度薬害が出ると、紅麹の場合二次製品にも責任が及ぶために、決して紅麹が76件の被害に対する責任を認めていません。厚生労働省も小林製薬に調査せよと命ずるだけで、自ら出て行っていません。その後も一切健康被害に対する責任を言わず、ただお詫びするだけ。最終的に回収作業に係る迷惑に対してお詫びするに至りました。法律的観点からすると、原因と結果の因果関係が証明されていないので、弁護士団が一切小林製薬の責任持ち出さないのは常套手段です。確かにテレビを見ている人には何も起きていないので、テレビではお詫びをする必要は無いのかも知れません。それでもどこか上手くやり過ぎる「お詫び」に不信感を抱いてしまいます。厚生労働省に対しても同様です。

 

水俣病を起こしたチッソ株式会社の事が頭をよぎります。チッソも最初因果関係を全く認めず、その後それが証明されると補償の為に倒産寸前になりました。でも政府や銀行の支援により復活、今でも水俣工場は現在もチッソの主要工場として稼働しています。