免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は遺伝子変異の無い肺癌患者さんには希望の治療法です。でもPD-L1が高発現でも、癌の進行を止める効果は70%の患者さんにしか認められません。更に1年間癌の進行が認められないのは50%の患者さんだけです。では低発現だと1年間癌の進行が認められないのは20%、2年間になると10%の患者さんに過ぎません。PD-L1の高発現はとても重要なファクターだという事が分かります。一部の患者さんに置かれては、長期に渡りICIが効果を発揮する事が有り、闘病ブログでもそのような記録に出会う事があります。

 

細胞殺傷性抗癌剤においては状況は更に厳しい物だと言われています(詳細は各抗癌剤のカプランマイヤー曲線をご参照ください、私がここに書く事はやめておきます)。

 

だから何だ?と問われても、そう言う事なんですとしか答えられません。転移した(metastatic)場合は更に治療効果は厳しい物となるようです。それもだから何だ、と問われそうですが、そう言う事なんです。まあ、一言自分のブログとして付け加えるならば、私の肺癌が転移した場合、一番厳しい状況下に置かれるでしょう。それが怖い。でも全ての肺癌患者にとって見れば、自分が主観的に一番厳しい状況に置かれている事は間違いありません。肺癌診療ガイドラインを見れば相対的な状況が分かりますが、そんな事はどうでも良いのです。大切なのは主観的な、つまり自分が自分の癌をどう思うかという事では無いでしょうか。

 

絶望しても、期待しても、無視しても、気にしなくても、皆それぞれの思いで今日を生きています。どう思っても良いと思います。朝目が覚めて、憔悴して覚醒しない頭の中で、ああ又今日が始まったなと嬉しさとも悲しさとも断定できない気持ちを感じる事が大切じゃないかと思っています。