色々なケースが有りますが、一番肺癌が発見されるのは、定期健診での胸部X線検査では無いでしょうか。時代と共に発見率は上がっていますが、優秀な読影師でも20%から30%は見落とすと言われています。又2cm程の小さな肺癌は胸部X線では見つけづらいとも言われていて、米国では低線量CTが代わりに使われています。本当であれば、定期検査でヘリカルCTを使ってくれれば良いのですが、会社や健康保険組合の経済的な面で無理なのかもしれません。でも見落とすと約4か月で癌の大きさは倍になるケースも有り、リスクは高いと言わざるを得ません。

 

私の場合、2か月に一度CTを取っていたので、医師に「線量は大丈夫ですかね」と聞いた事が有ります。医師は、そんな事気にしている場合じゃないでしょと言っていましたから、年に一度低線量CTを受けるのは意義が有ると思うのですが。勿論左肺等影になる物が有る場合、CTでも完全に癌を発見出来ないでしょう。結局決め手に欠けるので、小さな肺癌が見つかるのも運なら、見落とされるのも運なのかも知れません。

 

肺がんには運が余りに付きまといます。タバコが一番の外部要因とは言え、内部要因は老化や偶然による遺伝子変異です。禁煙は出来ても遺伝子変異をどうにかする事は出来ません。免疫細胞にしっかり見張ってもらうしか無いでしょう。兎に角、発癌も運なら、手術や放射線の可能性も運、転移も運、薬が効くかどうかも運(特に遺伝子変異の型と薬剤の開発状況、そしてPD-L1の発現率、TTF陽性等)、全てが運の様な気もして来ます。

 

又7月がやって来ました。3年前に、「昨年の胸部X線と比較して陰影が大きくなった」と緊急の電話を貰った7月です。今年も定期健康診断がやって来ます。