言い難い事だと思いますが、私を含め手術を受けられた方のブログを読んで、「あなたは良いよ、手術を受け完治出来るかもしれないのだから」と思われている方は多いと思います。そう思われるのは当然です。昔からフォローさせて頂いているブログ仲間の何人かのブログで、最近余り調子が良くないと書かれている方が多く心配しています。そんなブログを拝見させて頂く度に、私はコメントする力も、自分の訳の分からないブログを書く事も出来なくなっています。

 

肺がんは全身癌です。肺胞に出来た癌は、取り込んだ酸素と共に癌細胞を血流に載せて全身に送ります。上手く免疫細胞が見つけて攻撃してくれれば良いのですが、免疫細胞から逃れる術を学んだ癌細胞は、再び時間をかけて体の何処かで成長して行きます。遺伝子変異が起これば、今使用している薬は全身レベルで癌細胞に対し効果を失ってしまいます。だからCTでの定期的な原発巣の観察は薬の効果を見る為に必要なのでしょう。

 

手術をしても、結局状況は変わりません。幸い癌総量が少ない時に手術された方は、全身に飛んで行った癌細胞数も限定的で、免疫細胞の力を信じる事が出来ます。癌は1cmになると癌総量は10億個と聞いた事が有ります。私の場合原発巣が3cm近く成長していたので、33倍ですから270億個の癌細胞が有った事になります。手術で原発巣を取る前に、一体いくらの癌細胞が全身に回って行ったのでしょう。健康人も1日に5000個近く癌細胞が生まれ、免疫細胞はその処理に一杯一杯なら、肺から流れて来た癌細胞を全て殺してくれたとも思えません。

 

この話は私の推測です。全ての肺癌患者さんの完治や寛解を切に希望する物で、ただ言いたい事は、肺癌患者はどの様な状況であろうと、戦う仲間だと信じているという事です。