今朝のヤフーニュースを見てギョッとしました。ユトレヒト大のブローム教授が英国医学誌(BMJ)に「64%の新規抗癌剤が最低或いは全く患者に利益をもたらさない」と論文を公表したと有ったからです(41%測定不能かマイナス、23%ごくわずかな効果)。且「製薬会社が殆ど役に立たない薬剤で儲けるのはおかしい」と指摘します。新しい薬の認可道筋が十分な証拠が無くてもパスできるようにもなっているとも書かれています。ヤフーニュースはそこまでしか書いていないので、元の週刊現代を読まないとその後の展開は分かりません。私はこの記事に群がるネット大衆が、抗癌剤なんかに税金を使うなと言い始めたのが気になったのです。

 

私はユトレヒト大学の公式発表(2024年2月28日-英文)を読んでみました。BMJに載った論文では無い短い説明文した。確かに最初に書かれた様な内容です。但し大学発表には重大な意図が書かれています:

「認可迅速化の道筋は必ずしも悪いとは言えない。薬を待っている患者さんはいるからだ。効果の薄い薬を開発する為にかけたコストは、製薬会社がその薬を3年間販売する事で元が取れるはずだ。但し問題は、製薬会社がそれで満足して、追加データ取得を怠っている事だ」と有ります。そして「開発コスト回収の為に、効果の薄い薬の薬価は安くなくてはならない、それで儲かると効果の高い薬の開発に製薬会社は意欲を失うからだ」とも述べています。結論として、「我々は政策決定者が、患者さんが革新的な高価な薬を利用できるような継続した取り組みと、医療現場で薬が合理的な使用を調査する重要性を強調したい。新薬開発と限られたリソースが、真に患者さんへの利益と一致する未来を目指したい」とあります。

 

大学発表は理解できますヤフーニュースだけ読むと一部だけが強調されて理解されるかも知れません。偉そうに言う前に、先ず週刊現代を買えって?ま、そりゃそうですね。

https://www.uu.nl/en/news/many-new-oncology-drugs-approved-in-the-eu-lack-proof-of-added-benefit