遺伝子変化陰性の肺癌患者に取り、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は大きな武器ですが、ICIが有効な患者さんは20%と少ない事が問題です。第一にPD-L1の発生率が高く無いと聞きませんし、副作用が多い事も問題です。もう一つは癌細胞を攻撃するT細胞にCTLA-4が発言してしまう事です。これらを全てクリアーされた患者さんはT細胞が常に癌細胞を攻撃してくれる為に、OSがかなり長くなると言われています。

 

CTLA-4って何でしょう。ご存じの方には当たり前の事かも知れませんが、私は今日初めて知りました。私は遺伝子変異陰性、PD-L1も20%のダブルネガティブ患者なので余り関係が無いかも知れません。T細胞が癌細胞を攻撃する時、免疫システムの一環である樹状細胞がT細胞に癌攻撃の為のシグナルを与えます。それがB7とCD28です。所がT細胞にCTLA-4が発現すると、樹状細胞からB7の情報が遮断され、癌細胞攻撃が止まってしまいます。それを阻止する為に制御性T細胞にCTLA-4を発現させて、T細胞から樹状細胞が離れるように、癌細胞を再度攻撃するようにするのかCTLA-4抗体薬(ヤーボイーブリストルマイヤーズ製)です。オプジーボとヤーボイの併用療法はその意味で期待されていたのですが、現在臨床試験が中止されたのは残念です。

 

ICIはとても使用が難しい薬だと思います。でもそこにかける方も多いので、利用できる方が利用できるように、ヤーボイの問題はブリストルと小野製薬だけに任せずに、世界中の研究者が調査修正して欲しいと思います。副作用も同様です。人類はやれば必ず出来ると思うのです。