今日胸部CTを撮りました。結果は来週ですが、造影剤無しなので、多臓器やリンパ節転移は分かりません。それでも今の所胸部の痛みと違和感、急速な心肺活動の低下、視野狭窄の頻繁な発作等大きな心配事が有るので、今回のCT結果にはとても緊張しています。毎回CT撮影は緊張と恐れで眠れなくなる事が多いのですが、最近は静かに音楽を聴いてその時を待つだけです。でも心の中で何かに祈っているのです。

 

私は無宗教です。幼い頃は幼稚園が仏教系だった為に仏様を信じていました。その後宗教とは全く離れてしまいましたが、肺癌になってから、心の何処かで何かに祈っている自分を発見します。自分に自信が無いから、何かに縋りたいのだと思います。20歳代で経験した軽度のOCD(強迫性障害)が又戻って来ました。でも、心の中で祈る事で「恐れを中和する意味のない行動」を抑える事が出来ます。


村上春樹の1Q84の中で出て来る「青豆」さんが、幼い頃に親に強いられ、自ら捨てたはずの信仰と「空の神様へのお祈り」が、自分に危険が迫る時に「お祈り」が口から出て来る描写を読む度に、ああ自分も同じだと感じます。だから自分の何かへの祈りを否定しようとは思いません。宗教者にも相談しません。肺癌も、祈りも私個人の物だからです。

 

形は変わっても、肺癌を言い渡された方は、程度の差は有れ同じ様に何かに祈っているのではないかと思います。祈る対象や、内容は何でも良いのです。それで心が一瞬空白になる事が出来れば。祈っても、何も期待出来ないから、それで十分なのかなと思います。