2009年にNHKが制作した「あと数か月の日々を~物理学者・戸塚洋二がんを見つめる」のアーカイブを見ました。戸塚先生はニュートリノ研究で小柴先生、梶田先生と共にノーベル物理学賞を受賞確実と言われていましたが、ある日突然大腸癌が見つかります。肺、肝臓、骨、脳転移と悪化し、T2Kニュートリノ振動実験開始を待たずにお亡くなりになりました。

 

戸塚先生は、科学者らしく自分の病気にも科学者として向かい合おうと、腫瘍の大きさや抗癌剤の効果をデータベース化していきます。戸塚先生はブログも残されていて、書いたブログが友人だけでなく、他の同様の患者さんも読まれている事に気づき、患者目線のデータベースの必要性を訴えられます。でも癌種により、状態により異なる為に、今ではアメブロ等の闘病ブログがその役目をはたている気がします。

 

僅か66歳で人生を終えられたのですが、ノーベル賞も確実視され、カミオカンデの作成、スーパーカミオカンデの修理、そしてT2K実験等宇宙の研究に多大な貢献をなさいました。でも幾ら貢献しても人間である限り、私の様な凡人同様、癌にはなります。そして若くしてお亡くなりにもなります。これを不合理と見るのか、公平と見るのか私には判断は付きません。ただ、私が打たれたのは、自分は何として(科学者、医師、サラリーマン、主婦、学生等)癌と向かい合うのか、どう人生と向かい合うのかという事です。私はただの剥げた老人ですが、そんな自分に出来る事を考えながら、病気に向かい合いたいと思います。

 

先生のブログは下記に有ります。昔のブログで、科学者の書く物なので難しいですhttps://web.archive.org/web/20090713204058/http://fewmonths.exblog.jp/6633890