一本菊 下-4、5 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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御伽草子 一本菊(ひともとぎく)下-4、5

イメージ 1
挿絵  左から:
なひしのつほね
宮 なひしのかたへ とふらひに行給ふ

(・・・いまた いきてあら)
ば。我をや恋しと思ふらん。又なき身にてあるならば。いつれのみち
に おもむき。いかなる くを見るらむ。人を御らんずるにも。この人の
みぞ 恋しかりける。なひしのかたはらを 御らんずれば。げんそう
くはうていの。やうきひと うちつれ。りんそうきうに 御(み)ゆきなり。
なでんのうちしづかに 宮のうち物すごく。けいしやううひの袖。か
ぜにひるがへり。たまの かざりに。いかに おちつもるなるに ことなら
ず。時しも七月七日。七夕の たえぬちぎりを うらやみて。ちやう
せいでんに 出給ふ。御門 やうきひの てをとり。天にあらば ひよくの
とり。地にすまば。れんりのえだとならんと。ちぎりたるとこ
ろを あふぎの ゑに かゝれたり。宮 是を御らんずれば。ないし申
けるは。むかしも ためしなければこそ。ゑにも かきて。とゞむら


りんそうきう=??華清宮(温泉宮)か?
なでん=南殿
けいしやううひ=霓裳羽衣、薄絹などで作った、女性の美しくて軽やかな衣装。
  霓裳は虹にじのように美しい裳裾、羽衣は鳥の羽で作った軽い衣、天の羽衣。
ちやうせいでん=長生殿、唐の太宗が驪山に建てた離宮。
  玄宗が華清宮と改名し、楊貴妃を伴って遊んだ。金沢名物「落雁」の名。
天にあらば ひよくのとり。地にすまば。れんりのえだ=比翼連理、
  比翼の鳥と、連理の枝。夫婦の仲のむつまじいことのたとえ。男女の深い契り。


扇の絵の描写でした。
なひしも、宮も、
寂しいのですね。
コロリン師匠