一本菊 上-23 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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御伽草子 一本菊(ひともとぎく)上-23

(・・・数ならず しな)
して つかはしめにせんとこそ思ひつれ。いかゞして さらぬさきに。此ひめ
君を うしなふべきと いひければ。さんみ申けるは。ひめ君を うしなは
むるは やすけれ。あに。兵衛のすけを うしなひてのち ひめ君を う
しなはんこと。やすき事也とて。うしなはんずる事をのみ。心に か
けて思ふに。ごせつの比にもなりにけり。此しゐの少将は。右大臣の
御子なれども。あにの兵衛のすけにも にず。見めかたち おとりて
のふもなく げいもなく。心さへ ひか/\しく。我より くはんたかき
人をも。御門のめのとこのきそくして。我が心のまゝに思ひて。みな
をこなひけれは。くぎやう 殿上人。にくき事に思ひて。みなおなし心
にて。ごせつの夜。やみうちにせんと いさなひ給ひけれども。兵衛の助
殿。ちゝおとゞの 菊のかげにて。おぼさんことも あはれに。又せうとなれ


つかはしめ=使われる者、使はし女
さらぬさき=然らぬ先
ごせつの比=五節の頃、11月の五節の舞の頃
ひがひがしい=僻僻しい、まともでない、ひねくれている。
御門のめのとこのきそく=ここの「こ」のきそく、「こ」or「と」か判別しにくかったけど、
   「御門の乳母子のきそく」にします。「きそく」は、気色です。規則ではありません。
せうと=兄人


良からぬ企みが有りそうです。
姫君と宮の間は、どうなりますか?
腹違いの弟、悪巧みに長けていそうです。
乞うご期待!
コロリン師匠