一本菊 上-12 | コロリンの御伽草子-2

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御伽草子 一本菊(ひともとぎく)上-12

(・・・とく/\かへり給へと。と)
りいれず。むなしくかへりぬ。をしかへし。かくなん

  くれなゐの すゑつむ花や われならん
  ふみかへさるゝ 身こそつらけれ

と あそはして。つかはさるゝ。ときは。とりてゆき。やう/\にいへども
出ず。いらへもせず。ときは。おさなき心ちに ねたくおぼえて申やう。た
うじ我が君の御文なんどを。めさましくして もてなし給ふ
びんなさよ。とり だに いれさせ給へとて。みす うちあけて。なげ入ぬ。
されども心をくだきて。をしかへし/\。御文ひまなかりけれとも。行(ゆく)
に かずかく 心ちして。一度も返事なかりけり。宮は。ねたくも い
ひける物かな。よし/\さらば。さてこそあらめ。と。かく。ゆはんほどに 母


をしかへし=押返し、押しもどして。
すゑつむ花=末摘花、紅花、呉藍(くれない・くれのあい、万葉集)
ふみかへさるゝ=参考:紅花は発酵させ杵で突かれて紅餅にされる。
   ということで、製造過程において「踏み返される」。
めさましくして= 目覚、事が心外であり目もさめる思いがする。
   驚きあきれたり、不快に思ったりするほどである。
びんなさよ=便、都合のよい機会。よい方法。ついで。
とり だに=取り せめて??


「ときは」根性見せてますね。
思いは伝わるのか??
コロリン師匠