雀報恩の事-2 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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宇治拾遺物語 巻三 
雀報恩の事-2

近江には、ご存知「舌切り雀」の民話があります。
その元になった御伽草子があります。「すゝめの夕かほ」です。
更に、その元になったのは、「宇治拾遺物語・雀報恩の事」です。
「舌切り雀」の元になったお話・2回目を、お楽しみください。

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(・・・雀こそ いたくなく(鳴)なれ あ)
りし すゝめのくるにやあらんと 思ていてゝみれは 此雀也 あはれに わ
すれきたるこそ あはれなれといふ程に 女のかほをうちみて 口よ
り露計(つゆばかり)の物を おとしをくやうにして 飛ていぬ 女 なにゝかあらん 雀の
おとして いぬる物はとて よりてみれは ひさこ(瓢)の種を たゝ一 おとして
をきたり もてきたる様こそあらめとて とりてもちたり あないみ
し 雀の物えて寳にし給ふとて 子ともわらへは さはれ 植てみんとて うへた
れは 秋になるまゝに いみしくおほくおいひろこりて なへての種(●?)にも
に(似)す 大におほ(多)くなりたり 女悦(よろこび)けう(興)して 里隣の人にも食くはせ と
れ(取)とも/\ つき(尽)もせすおほかり わらひし子孫(こまご)も これをあけくれ食
てあり 一里(ひとさと)くは(配)りなとして はてにはまことにすくれて 大なる七八は ひ
さこ(瓢)にせんと思ひて 内につりつけて をきたり さて月比(ごろ)へて 今はよく成
ぬらんとて みれは よくなりにけり とりおろして 口あけんとするに す
こしおもし あやしけれとも きりあけてみれは 物ひとはた入たり な

ひさこ(瓢)=ヒョウタン(瓢箪)、干瓢の原料となる。主として生または乾物を煮て食べる。
   種類によっては毒がある。
おほくおいひろこりて=多く生い広ごりて
なへての種(イメージ 2)=難読、「種」を充てました。異字体かも。「瓢」に改めます。3話で説明
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