小 町 草 帋
(・・・ゆうれいなるとて。く)さむらを かきわけて見たまへば。をんなはなしたゞ はつこつとすゝき。一むら おいにけり。これをみたまひしより。いよ/\世中のあはれ。人のうへとおもふことをばいかにもやまさかをへだてゝもといたまふべし
此ものがたりを きく人。まして よまん人は。すなはちくはんをんの。三十三たいを つくり。くやうしたるにも ひとしきなり。こまちは。によりくはんをんの けしんなり。又なりひらは。十一めん。くはんをむの けしんなり。あだにもこれを おもふべからず。なむだいじくはんをんぼさつと。ゑかうあるべし
63・64頁は、「小町草帋」の1・2頁でした。落丁かと思っていましたが、面付けミスで、最初の頁が、最後に付けられたのです。
三十三たい=三十三体観音、人を救う為に33の化身となること。
くやう=供養
によりくはんをん=如意輪観音、出所は「伊勢物語知顕集」
十一めん。くはんをむ=十一面観音、「伊勢物語知顕集」では馬頭観音
なむだいじくはんをんぼさつ=南無大慈観音菩薩
ゑかう=囘向
是にて「小町草帋」、終わりです。
長い所、読んでくださり、
ありがとうございます。
ず~と「みすぼらしい小町」が続き、
ヘタリましたが、如意輪観音になりました。
良かった、良かった。
次回は1回読み切りで、
カッコイイ「小町」をお送りします。