小町草紙-48,49 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

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花や鳥の写真などをアップします
よろしくお願いします。

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小  町  草  帋

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(・・・かすむなみぢを)
又さいぎやうじの うたに

 かぜになびく
   ふじのけふりの
      そらきえて
  ゆくゑもしらぬ
    わがおもひかな

と。よまれしも。いまこそ
おもひしられたれ さらぬだ
に。物うきことは あづまぢの
はにふの こやの いふせきに
みやこのそらをみて けふは
うき身を うきしまがはら
に。まよひ出て ゆきかふ人の

みちしるべとて。たとり/\
ゆくほどに。ゆくゑそ しら
ずはてもなき。むさしのゝ
すゑになる草ばに。をく
露のたまぼこの。みちの ほ
とりの さはらびを。おりて も
ちゐたり。とれも ものうき露
のいのち たすけんために。
ひちかけかさ。さすがに かけ
し むさしあふみと。古歌に
も有ぞかし。などか人のなさ
けの なかるらんと。ゆふべ/\
の かりまくら。草のころも

さいぎやうじ=西行法師の書き誤りか?
かぜになびく=新古今和歌集1615 西行法師
   あづまのかたへ修行し侍けるに、ふじの山をよめる
   風になびくふじのけぶりのそらにきえてゆくゑもしらぬわが思哉
さらぬだに=そうでなくてさえ、ただでさえ
あづまぢの はにふの こや=吾妻路の埴生の小屋、埴生の小屋はみすぼらしい家
   埴生は、土の上にむしろを敷いて寝るような粗末な小屋、赤土を塗ってつくった小屋。
うきしまがはら=浮島原、東海道五十三次の13番目の宿場「原宿」。それ以前を「浮島原」という。
たまぼこの=[枕]道、里にかかる
さはらび=早蕨、若芽のワラビ
ひちかけかさ=肘懸笠、袖を頭の上に置き雨をよけるようす
むさしあふみ=むさしあふみ さすかにかけて たのむには とはぬもつらし とふもうるさし
   伊勢物語13段
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浮島原/原宿の風景

埴生の宿と言う言葉、
初めて意味を知りました。
「などか人の情けのなかるらんと」、
老いた小町の歩く姿が可哀想です。
コロリン師匠\¤\᡼\¸ 4