今回のツアーファイナルは,youtubeでの無料配信があり(透色ドロップではツアー初日とファイナルがこのような無料配信されることが多いです),アーカイブにも残っているため,1曲1曲を順に振り返るということではなく,全体を通じて私自身が強く感じたことを中心に振り返っていきたいと思います。
この日感じたことの一つが透色ドロップが「伝える」ことの大切さと強さについて。
時系列がぐちゃぐちゃになりますが,ライブの最後のMCにて,かまろん(鎌房祐衣さん)がこんなことを言っていました。
「私たちはライブを軸に活動をしているアイドル。SNSの更新などもしているが,一番はライブを通して何かを伝えるということが一番のお仕事でありたいと思っている。」
透色ドロップはいわゆる“ライブアイドル”。
まさに対バンなどを含めたライブ活動を積み重ねることでその魅力を伝え,ファンを獲得していくグループです。
そしてこれはことあるごとにかまろんが口や文字にしてきた言葉。
インスタのストーリーなどでも,(われわれから見ると)唐突に「ステージ上で熱くなるライブがしたい」といった内容のことを何度か見たような気がしています。
おそらくかまろんなりのアイドルの価値観,あるいは哲学のようなものがここにあるのでしょう。
そして実は,このかまろんの言葉を聞いた最後のMCより前に,この日のステージのステージを見ながら感じていたことが,まさにこのことだったんです。
1つ目が“笑顔”の力。
Overtureが終わり,1曲目の「最愛」。
イントロが流れ,パッとステージ上が明るくなり,それまでシルエットだったメンバーの表情が見えます。(この時の,もなたん(麻倉もなさん)のセーラームーンみたいにきれいなツインテールのシルエットがめちゃめちゃかわいかった笑)
遠くからでもわかるメンバーの満面の笑み。
この日に向けた大変な準備と緊張を乗り越えて,ステージでファンと一緒の時間の楽しさを確信するかのようなその笑顔はみんなめちゃめちゃ可愛くて。
特にこはさん(梅野心春さん)とみゆさん(有坂望由さん)のあどけない少女のような笑顔が印象的でした。
みゆさんは,お披露目ライブの時あたりでは,緊張や疲れで少し笑顔がなくなる時間帯もあったように記憶しています。が,このツアーを通してステージを楽しんでいるという気持ちが伝わってくる笑顔をずっと見せてくれるになってきたように思います。
メンバーの笑顔ってやっぱりいいですよね。
もちろん笑顔が可愛いってのはありますけど,アイドルのステージって,アイドルが歌うだけじゃなくて,ファンもコールをして,一緒に空気を作り上げるところがありますよね。
ファンとしてもやっぱりその空気をアイドルが楽しんでくれていることがわかると嬉しいし,さらに盛り上げようと熱が入る。
そんな相乗効果の原点が,ファンの笑顔であり,アイドルの笑顔なんだと思います。
そしてもう1つ感じたことが,“自分の言葉”の力。
これまでMCで中心を担っていた1期生,2期生が卒業し,4.29の新体制お披露目ライブ以降,MCはこはさんが中心となって引っ張ってくれています。
また,新メンバーも曲中のあおりやメッセージなんかも積極的に担当し,フロアにいろいろな言葉を伝えてくれています。
が,やはり新体制直後のステージでは,その言葉が各自でしっかりと決めたうえで発している,いうなれば“作られた言葉”として聞こえてきていたような気がします。
いや,これは全然悪いことではないんですよ。事前に伝えたいことを一生懸命考えて作ってくれているわけですから,まぎれもなくメンバーからの言葉。
これまでだってその言葉に涙するくらい心震わされたこともたくさんあります。
ただ,この日の言葉はさらにもう一段階上の,メンバーの心の底から湧き出てきた“自分の言葉”に聞こえることが多くあったような気がします。
美琴ちゃん(卯野美琴さん)が「誰かのために」の間奏で伝えてくれた「ツアーを通して皆さんの大切さをより感じた。これからもついてきてください」という力強い言葉。
最後のMCでもなたんが語ってくれた,「みんな(ファン)にとってはそんなことで?と思うようなリプやコメントが自分にとっては大きなことで,おかげで前に進むことができた」という言葉。
そしてこはさんの「いままででいちばんグループに時間をかけたツアーで,自分がしてることに意味はあるのかな?とも感じたりもした」という正直な不安を語ってくれた言葉。
そしてこのブログ冒頭にも書いたかまろんの言葉。
すべてメンバーそれぞれの“自分の言葉”として,心に響きました。
もちろん,ステージで見せてくれるツアーを通して成長した歌やダンスといったパフォーマンスからも感じるものはたくさん(これはまた改めて書きたいです)。
さて,冒頭のかまろんの言葉には続きがあります。
「私たちを応援してくださっている皆さんは,そのパフォーマンスの技術だけじゃなく,そのパフォーマンスに重ねた私たちの思いや時間なども,すべて含めて受け取って応援してくださっていると思っています」
“何を言うか,何をするかではなく,誰が言うか,誰がするかが価値を生み出す”
学生時代にとある先生に教えていただいた言葉で,今でも仕事で自分が教える立場になるときには常に伝える言葉。
言葉や行動自体に価値があるのではなく,その行動をする,言葉を発する人がどんなことを考え,行動してきたのかということが,その言葉や行動の価値,説得力を決める。
大学との両立の中このツアーを完走した美琴ちゃん,もなたん,みゆさん。
ついていく立場だった昨年とは180度違う役割を任され,自分のことよりもグループ,メンバーのことを常に考えながらこのツアーを完走したかまろん,そしてこはさん(こはさんは大学もだよね…すげぇ…)。
間に対バンやイベントを挟みながら,毎週のように遠征を重ね3か月という長丁場を単に乗り切るだけではなく,常に成長を意識しながら,ファンを楽しませるライブ作りを考えてくれた5人のメンバー。
その一挙手一投足そして言葉には,これまでにない説得力があったと感じました。
まさに技術だけではなく,メンバーの思いや時間をすべて含めて,私たちは受け取っていました。
ライブで勝負し,ライブで“伝える”ことのできるグループに。
もともと持っていた素敵な衣装と楽曲という鎧を着た透色ドロップが,ツアーを通して成長したということは…!
これからの透色ドロップの快進撃を期待させられる,そんなツアーファイナルでした。

