こんな質問が来ました。

 

 

おそらく以前書いた

 

ウィンドシンセに使える小型テーブルトップ音源

 

この記事に対する追加の質問だと思います。

 

結論から言うと「どんな曲にでも使えるよ!」って思うし、むしろ「今すぐ買え、秒で買え、無くなってから後悔しても遅いぞ!」って言いたいですw

 

 

JU-06A、何度か試奏しましたが、実機をよくエミュレート出来てますよね~。正直欲しいですw

淡くカラフルなデザインをまんま持ってきていて触るのが楽しいし、音はウォームかつジューシーだし、例の音楽的に良い感じのするノイズが乗るアナログコーラスも完全再現されてます。06と106の切り替えスイッチとかもあって1台で2度楽しめるboutiqueシリーズの中でも屈指の名機と言っても過言では無いかと。

 

こちらもEWIで吹くのであればコンティニュアス・コントロールでCC#74(NuRADならCF。これデフォで選べるのいいなぁ)を出してあげれば簡単にフィルター開閉できるし、そのニュアンスもカットオフの切れ方なのか処理能力の高さなのか、うちのJX-03よりきめ細かく、アンプを通した際も抜けて来る感じです。

末尾の「A」はダテじゃない感じ。

 

※あ、使う時はちゃんとSINGLEモードにしましょうね。じゃないとレガートできなくなっちゃうので(マルチトリガーしたい時はこれを逆手に使う)。

 

で、質問にある1OSCの意味ですが、これはオシレータが1つしか無いって事です。

オシレータ、つまりプーとかポーとかコーとか音の元となる発振器ですね。

音色のコアでもあり、ピッチ変化もこいつが担います。

JU-06Aはデジタル制御のオシレータだったため「Digital Controled Oscillator」の略で「DCO」という名称になってはいますが、同義と思ってください。

 

1OSCだと何が出来ないかというと、まずデチューンが出来ません。

二つのオシレータの片方、もしくは両方のチューニングをわざとズラし、音に広がりを持たせる手法です。

次に和音。片方をオクターブ上にしてあたかも倍音群のように扱うとか音階を+7にしてパワーコードにするとかそういった手法が出来ません(※但しオクターブ違いは後述)

あとはシンク。これも片方のオシレータのピッチを大きくずらした上でスイッチいれると、メインのオシレータのピッチに強制的に同期させられる事で波形が変化して独特のコーラス感が生まれます。

他にも別の波形を混ぜるとかクロスフェードとかそういった事も不可能です。

 

代わりにJU-06Aの場合、サブオシレータという、1つのオシレータからオクターブ下の音を抽出して混ぜる機能が付いています。

位相や波形が同じなのでオシレータを2つ使った時とは違いうねりが弱かったり違う波形を使うなんて事は出来ませんが、サブオシレータの音量を設定出来るので非常に使いやすいです。

これにより、オクターブ下を薄く鳴らして押しの強い音を作る事が出来るし、メインの音と聴感上同じぐらいに設定してギラギラした音を作ったりする事ができます。

 

次にPWM(パルス・ワイズ・モジュレーション)が可変である事。

これは透明感のある矩形波の音のデューティー比(縦横比。音色が変わります)を自由に買えられる事が出来るため、パルス波と呼ばれるノコギリ波や矩形波とは違う音色を作る事が出来ます。ちなみにJX-03は固定値で矩形波(デューティー比50%)と25%(多分)のパルス波の2種類しか切り替えできません。デューティー比を連続可変できると「う〜んこの辺」とちょうど良いところで設定出来るし、NuRADの場合ブレスBのMIDI出力をCC#14なんかにすると息で可変する事が出来てより強いダイナミクスを得られます。

 

そしてJUと言えばアナログコーラス

1OSCではありますがこいつのおかげでデチューンに似たコーラス感を手軽に出す事が出来ます。

正直デチューンと比べると機械っぽさが出てはしまいますが、音が動けばそこまで気にはなりません。というか音に広がりが欲しい場合はJUらしさを出す意味でも自分ならむしろこのコーラスを使いたいです。

 

そうは言ってもやっぱりデチューンが欲しいなって場合もあるでしょう。そんな時はデチューンのあるエフェクター使えばできちゃいます。

JU-06A本体にはコーラスとディレイはあるけどリバーブは無いので、どうせエフェクトは外掛けするでしょ?w

ならばMS-50GとかPS-6とかMX-5とかを組み合わせて使えば前述した1OSCでできない事のうちデチューンと和音は可能になります。

リバイバルとは言え80年代のシンセを扱うのであれば外部エフェクターはあって損は無い・・・というか組み合わせて使うのが温故知新って奴です。

 

余談にはなりますが、JU-06Aは

 

1OSC-1VCF-1VCA、1ENV、1LFO

 

と、シンセの最小構成となっています。「これ以上削る事は出来ないが必要充分」という構成は入門機としても最適です。

勉強するのに複雑さや物量はむしろ混乱のもとになりますしね。

 

シンプルな構成であればあるほどひとつひとつのモジュールの変化や、何をどこにどうすれば良いか、役割分担などが分かりやすく、創意工夫もしやすいです。

 

おそらく1OSCについて質問しているぐらいなのでシンセ弄るのは初心者なのだと思いますが、そんな方にはうってつけの機種であると思います。

 

弄りだすと世界が広がりますし、良い音色が出来た時なんかは脳汁どぱどぱ出ます。どぱどぱ。

この楽しみや幸福感はやった者以外にしか味わえない特権です。

 

是非是非そんな危ないお薬楽しい楽しい世界に一歩足を踏み込んでみましょう!

そして作った音色をドヤ顔しながら披露したり夜中にケタケタ大笑いしたり1日32時間シンセの事考える生活を一緒にしていきましょう!