最近はEWIやNuRAD用の外部アナログ音源としてすっかり定番化した感のあるRoland SE-02ですが、こうなって来ると人と違うのが使いたくなるというのが世の理。

 

以前からお友達の梶田さんから「これどやろ?」「あれどやろ?」と聞かれてはマニュアル読んで・・・としてたところ、「ひょっとしたらとんでも無く良さそうなの発見しちゃったかも!?」ってのが出てきたのでご報告。

 

(2022.3.27追記。コントロール出来ました。しかも超使えます!→ここ参照

 

 

KORG minilogue xd module

https://www.korg.com/jp/products/synthesizers/minilogue_xd_module/

 

 

minilogue xdのモジュール版ですね。

これ深いところまで調べて行くと結構ウィンドシンセと相性超絶良さそうでヤバいです。

 

 

【注意点】

以下長々検証してるけど、実機検証はしていません

店頭なんかで検証するには深くエディットする必要があるって事もあるので、ちょっと難しそうなので。

KORGさんとかどっかの誰かが「これ検証しなさい」って貸してくれるような事でも無い限り机上の空論と思ってください(今はモジュラー最優先なので購入不能)

 

但し信号の種類・経路についてはマニュアルを読んだ限り全く問題無い・・・どころか「これウィンドシンセ用に作られてね?」ってぐらい使えそうとよしめめの野生の勘が反応しているため、リスクを承知での紹介記事とします。

 

誰か人柱になるやつおらん?

ねぇ、おらん??

 

 

【ウィンド的受信可能MIDI CC#】

●ジョイスティックY(+)/(-)

この時点でこの音源の勝利が確定したとさえ思える目玉機能がMIDI信号の割り当てられ方。

 

(+)はCC#1(モジュレーションホイール)と、アフタータッチが割り当てられている。そして、なんと(-)方向はCC#2(ブレス)が割り当てられてる!!!

おそらく「#1の近くだしブレスなんて使わねーだろうし」って事で#2になったんだとは思うけど。

 

しかもジョイスティックは「音色」に対する設定項目であり、変化量も設定可能。つまりは音色ごとにカットオフだのなんだの天井を設定出来ちゃう!!!ここ超重要

 

EWI5000ならコンティニュアス・コントロールで天井決められるけど、音色ごとに5000を再設定しなけりゃならなかったし、NuRADなんかはそもそも天井決める機能が無く困る部分。

 

アフタータッチの場合、イニシャル(吹き始め)をつまみで設定できる事から、ブレスの場合は最低値と天井のどちらも設定できるため、幅広い使い方が出来る。

 

CC#2の方は天井の設定があれば良いパラメータ、アフタータッチはイニシャルと天井両方の設定が欲しいパラメータ、のように音色を作るようにすれば、EWIは基本CC#2とアフタータッチ、CC#11(後述)を出しっぱなしにしておいてジョイスティックにパラメータアサインしていけば良い。

 

ひょっとしてひょっとしたら、ジョイスティックの変化量の記載がマニュアルでは「%」となっているため、(+)も(-)も元々つまみで設定した値がイニシャルとなる可能性もある(要検証)

 

なお、アフタータッチはchプレッシャーなのでEWIでもNuRADでもイケる事、一応CC#43でもカットオフは動かせるって事はメモしとく。

 

コンティニュアス・コントロールも絡めるとちょっととんでも無く使い勝手の良い音源かも知れません。

 

●音量

#7 or #11:ボリューム or エクスプレッション

どっちかひとつで大丈夫。

エフェクトの前なのか後なのかはちょっとわからないけど、CC#7だとエフェクト含めた音量が動く事も多いので多分#11で良いんじゃないかなぁ(要検証)

 

●ポルタメント

CC#5が通る。

普通にグライドプレートでポルタメントかけられます。

 

●その他パラーメータについて

最近流行りの全パラメータに対してMIDI CCが割り当てられているようで、例えばシンクかけたOSCのスレーブのピッチ動かすとかオシレータ矩形波にしてSHAPEでパルス幅動かすとかフィルターのDRIVE量変えたりをブレスで出来ちゃう。

前述のジョイスティックへのアサインで足りない時はこれも使える。

EWI5000の場合はコンティニュアス・コントロールで数値の天井決められるので、音色によってコンティニュアス・コントロールのオンオフする必要はあるものの変化量を制限したいこの手のパラメータ動かすには超使えると思う。

 

 

【各モジュールについて】

●シンセ構成

アナログ波形以外も出せるオシレータが2基、ローパス・ハイパスのフィルター1基、アンプ1基。EGはアンプ専用と、フィルターにもオシレータにも使える共用のが1基の構成。

これが4ボイス分入ってる。

 

●ボイスモード

「UNISON」があるからエンベロープで涙ぐましい努力をせずとも簡単にレガートに吹ける。しかもつまみでデチューンするらしい。スーパーSAWとか簡単に出来る。

POLYはNuRADには嬉しい機能。

CHORDなんてモードもあるのでEWIでだってレバーひとつでコードプレイ可能になる(エンベロープ調整は必須?レガートモードの切り替えがわざわざ記載されてるから不要?)

アルペジェイターにも一発切替できるのでインターバル機能使えば飛び道具として使えるかも。

 

●オシレータ

アナログ波形は鋸歯状波、三角波、矩形波の3つ。但し「SHAPE」で色々変化可能(パルス波はこれで出せる)。

更に「VPM」っていう2オペのFMをオシレータとして使える模様。無敵かよ。

リングモジュレータも付いてるし、金属的な音とかキャンキャンうるさい音など単なるアナログだと難しい音も作りやすいんじゃないかな。

あとこれまた不明ながら自作のオシレータ(?)も使えるなんて書いてある。複雑波形のデジタルオシレータとかサンプラー(PCM)みたいに使えるのかね?

クロスフェードは無し。

 

●ノイズジェネレータ

なんとEWI4000sみたいにハイパスやバンドパス等のフィルター付き。つまりブレスノイズを作成可能ウィンドシンセ用音源として良く分かってるな。

 

●フィルター

ローパス・ハイパスあるけどノッチだけ無し。まぁあんま使う事無いけど。

DRIVE機能あるのは超有能。

キートラックも出来るので音域の広いウィンドには有難い。

 

あとフィルター過入力で歪むらしい。

うちのモジュラーのmoogタイプも歪むけど、フィルターの手前で歪むからその後カットオフ動かす事で歪みごとダイナミクスするの。

歪みって普通は最後段のラインアウト後で歪ませるでしょ?

そこがかなり独特なニュアンスとして出てくるのでギミックも良さそう。

 

●EG

一般的なADSR。アンプ専用1基、ピッチかカットオフにかけられるEG1基。

UNISONとCHORDモードの場合EG Legatoって機能でマルチトリガー作れる。つまりJUDD作れます

 

●内蔵エフェクター

エフェクトはディレイ、リバーブと「モジュレーション」って名前のコーラス系を各1つずつ。

テープディレイがあるのでダブリングもお手の物。

リバーブは一般的なのに加えてシマーとか逆シマー(オクターブ下が追加)とか色々面白そうな効果のが入ってる。

ユーザエフェクトっていう自作のを入れる事が出来るって事だけど・・・ちょっと分からなかった。

 

●CV

CV INは2系統あるそうな。ひとつピッチで使うのでもうひとつはカットオフかアンプにアサインするしか無い。

ピッチだけMIDIで動かしてカットオフとアンプにアサインする・・・なんてことも出来るんだろうけど、そもそもDSPシンセなわけでウィンドシンセではあんまり意味は無いかも。

 

 

【未確認事項】

●ブレス周りの挙動

MIDIの吹奏感(つまりカーブ)とか相性良いかとか。

DSPなのでブレスという数の暴力を受けた時にデジタルノイズがどれだけ発生するかとか。

 

●フィルターのpole数

KORGだし多分キレっキレの-24db(4pole)だとは思う。MS-20みたいなエグいのだといいなぁ。

 

●ボイスの使い分け

4ボイスあって1ボイスをEWI演奏、裏でシーケンス・・・なんて事も可能?

 

 

【SE-02との比較】

現状EWIと非常に相性が良いとされているSE-02と比較すると、まだ出音は確認してないけど出来る事はむしろminilogueの方が多いし、よしめめ的には同価格帯なら間違いなくこっち選ぶ。

 

オシレータの種類がものすごく魅力的だし、フィルターDRIVEも良い。

MIDIの取り回しがすごく楽だし、モードレバー切替1発でコードプレイ出来るのはほんといい。

 

ただ、運用面で言ったら圧倒的にSE-20の方が楽なのは事実。

minilogueはプリセットをそのまま使える音色なんておそらくほぼ無いのでフルエディット前提になりそう。

 

EWI仲間にWALDORF Blofeld使ってる奴おるけど、まず全音色をブレスで動かせるように改造してからエディットするという苦行僧みたいな事やってるしそれに近いかもw

 

NuRAD+SE-20の組み合わせの場合は、ブレス情報をMIDIに加えてwind CVを追加入力するっていう技もある。

これで簡単に吹き始めやppあたりのブレスの追従や滑らかさが改善される。

 

どちらにせよ「ど単純どアナログ」を楽しめるSE-02か、「オールマイティ安定アナログ」のminilogueかみたいな選択肢が出来るのは良いよね〜。

 

 

という事で、KORGさんどないでしょう??