ちょっと公演とあんまり関係ないようであることを書いておきます。


ネタバレについて と 質問への回答 です。


前記事はこちら 



京都/福岡/名古屋/横浜バージョン

で、先ずはネタバレ。

この一連の記事についてのネタバレへのスタンスを先に一言書いておきます。


ぶっちゃけ、バレバレです。

でも、バレてもいいというか、

予習にはなると思ってます。


これから見に行く人で、それでもネタバレしたくない方は回れ右でお願いします。


能狂言鬼滅の刃は、原作が鬼滅の刃ですから、概ねストーリーはご存知かと思います。

で、どこまで書くとネタバレになるのかと考えたんですが、

内容に触れればネタバレになるのかなと。


ちなみに、パンフレットには、台詞が全て収録してあります。



ワタクシは、狂言だけの会を見に行くならあまり予習をしないのですが(でも、狂言の台本を集めた書籍は所有して読んでおります。筋も一通りは見ております。)能に関しては予習大事だと思ってガッツリ予習していきます。


ネタバレ駄目絶対なのは推理小説とかミステリー映画とかで、伝統芸能については、ネタバレはあまり気にしなくてもいい派です。

むしろ、伝統芸能はネタバレ推奨。


というのが、伝統芸能はストーリーを把握していないと理解が追い付かない事が多いからです。

ストーリーを把握していれば、わからないということがあまりなくなる、理解度が全然違うからです。

そこをネタバレと天秤に掛けたら、予習の方が重要だと思うんです。


昔の人達も、平家物語や合戦ものなどのストーリーを知っていての劇鑑賞。

歌舞伎なども、勿論馬琴さんなど当時の人気脚本家によるオリジナルストーリーはあるにしても、元ネタありの作は結構多いと思います。


能公演ではワタクシはですが、上演前に謡本を読みこむところまでは出来ないにしても、ストーリーだけでも把握しておくとその公演の理解が深まりより楽しいものとなります。

能の場合、予習は念には念を入れて、YouTubeで仕舞を探して見ておくと更にいい感じです。


ということで、映画と違って能楽公演では上演前に演目が分かっていれば検索してあらすじを読んでから臨んでます。

自宅に活字であればそれ、なければ国立国会図書館自炊謡本を読んでから。


今回は新作でそういうモノがないので、パンフレットを購入して開演時間直前まで読み込んだのですが、パンフレットに台本の原案がまるっと載っていてですよ。

勿論、漫画を読んで内容はきっちり把握していましたし、パンフレットの台本も上演で変更のあったところはたくさんありましたが、至れり尽くせりですよ。

お稽古はしていないけど能は見ているよって人の事を良く考えて下さっているなあと感動したのでした。

今回は、ワタクシはパンフレットは必携だと思いますし、進行をあらかじめ把握する事を激推ししておきます。


ということで、以下、内容わかっちゃいますので、ネタバレが嫌なら回れ右でお願いします。



波波波波波波波波


【質問事項2つ】

以下、素人の知識からの推測なので、本来は企画された野村萬斎氏の言説を探すかわからなければ質問するのが正しいです。

あまり変な事は書きたくないのですが、訊かれたから書いたというスタンスで。

勘違い等ありましたら、ご指摘ください。


★[能狂言]というタイトルについて


これが実はよくわかっていなかったんですが、舞台を見てなるほどと思いました。

100%分かった訳じゃないんですが、自分の中では整理がつきました。


開演すると、先ず、野村萬斎さんの無惨様が出てきます。無惨様が幕に入ったら、鏡の間から囃子が聞こえてきて、翁に比定される二人舞の「日の神」が上演されます。


日の神の上演時に、鏡板(老松がでかでかと書いてある正面バックの木壁)の前、ここを後座というのですが、能上演の場合は後座にお囃子隊が、右から笛、小鼓、大鼓、太鼓が並びます。


ところが、今回は後座に地謡が並びました。


お囃子がどこに配置していたかというと、能であれば地謡が配置する右側、脇柱と笛柱の後ろ、ここを地謡座というのですが、そこです。

能舞台の事がよくわからないと仰る向きのために、図をつけておきます。


さっきMSExcelで描いたヤツです

しまった揚げ幕が横向いとる←



さて、この後座に地謡が並ぶ配置ですが、これは地謡つき狂言の配置です。


地謡つき狂言がある、つまり狂言方も地謡をされるってことなんですが、ワタクシは狂言の演者が歌を歌っているのは見たことがある・・・というか狂言の演目ではよく歌っているのですが、地謡がついた狂言は見たことがありません。

※次回頑張って、ルネッサ長門の野村萬斎狂言ワークショップのチケットを取るぞ


最終演目までこの狂言の配置でしたので、この舞台は「能が入っている狂言」つまり[能狂言]というタイトルがつくのだというので納得しました。



★どのようにして能と狂言を繋げて上演しているのか

きっちり五番立てで、翁もついているというので、どんなに長くなるんだろうと思ったのですが、上演時間は前半50分、休憩30分、後半50分。


一つのタイトルが10分程度で序破急あり、しかも、前タイトルからシームレスに物語が繋がれていきます。

と書いてイメージが湧かないということだったので、詳細に書いてみます。



前半で例に取って説明します。


日の神を舞った竈門炭治郎(ここまでヒノカミ)がそのまま舞台に残って、ワキの冨岡義勇と出会う。

そして、義勇さんの紹介にて鱗滝左近次の元に行き修行。

岩と錆兎と真菰が出て来て、竈門炭治郎が岩を斬る。(ここまで狭霧山)

そうして鱗滝左近次に藤襲山に行くように言われ、戻ってきて藤襲山の仔細を語る(ここまで藤襲山)。

その後、炭治郎が鬼殺隊士になったので刀を打つ鋼塚蛍の狂言が入り、鋼塚蛍が幕に入る(ここまで狂言刀鍛冶)と炭治郎が箱を背負って舞台に戻ってくるのですが、後部にもう一つの大きいつくりものが登場しており、中から竈門禰豆子が出て来て舞う(禰豆子)。

で、前半が終わって30分休憩


という感じです。

で、前のストーリーの登場人物が残って次へ繋ぐシームレスなストーリーの繋がり。


洋装無惨様は舞台への導入役、平安無惨様は背景解説者みたいな役割のように見えました。


それでその、野村萬斎さんは超高速着替え。

義勇さん役のが出ている間に鱗滝さんに早変わりで忙しいことこの上なしだったと思われます。


その上、平安無惨様の後は鴉ですよ。

どうなってるん?ってホント思いました。