前略、親父殿_#01
前略、親父殿
父さんが天国に旅立ってから、ジャスト1年が過ぎた。
そちらはどうですか?暮らしやすいですか?
おそらく、「労働」からは解放されて、好きな音楽、書道に絵画と創作活動に打ち込んでいるんだろうな。
今年放映された朝ドラの「エール」は父さんの大好きな古関裕而さんがモデルだったから、「カラオケでオハコだった♪長崎の鐘 の制作秘話の回とか、天国で楽しんでるんじゃないか」と思って、俺も観てたよ。
さて、あれから世界は「コロナウィルス」という未知の黒雲に覆われ、何もかもがすっかり変わっちまった。一言で言えば、何かと不自由。戦中戦後、高度経済成長の時代を生き抜いて、コロナ禍の時代の前に現世とおさらばした父さんは、もしかしたら運が良かったのかも。
報告すると、自分はコロナ騒ぎの前から続いているトンネルの出口がようやく見えてきたところ。コロナ禍の日々をどうにか生き抜いているうちに、「今、この瞬間に生きていることのありがたみ」をつくづく感じるようになった。このご時世をなんとかポジティブにとらえるなら、グレートコンジャンクションのあとに訪れた「風の時代」に即して、プロセス重視で何事にも心を尽くしていくしかないなと思い始めている。
正直、いつまで生きられるのかわからない。残りの人生で残された夢にどこまで挑めるのか、やり切れるのか。ひとさまの評価よりも、自分の達成感を大切にしたい。とにかく、何にせよ、悔いが残らないように、努力と精励の限りを尽くすのみ。
1年後にまた、手紙を書くね。
遠慮なく好きな歌を歌いまくって、どんどんスキルアップしてね。
元気で。
爽々!
吉里爽
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