さりげないわざとらしさ -489ページ目

ある朝の詩

ベランダに置いた小さな鉢植えのポインセチア。夜露が少しだけ残っていた。ふと、この朝の光景は昔どこかで見た覚えがあるなと思い、記憶をたぐり寄せてみる。そうだ、やはりあの時のクリスマスだ。小学生だった俺。枕元に置かれたクリスマスプレゼント。それはエポック社の人工芝野球盤だった。早朝に目が覚めた俺は興奮で到底二度寝することは出来ず、リビングの電気を点けて一人遊んだものだった。一段落し、ふと外を見ると、ベランダにひっそりと、しかしはっきりとした存在感で夜露のついたポインセチアが置かれていた。そんなことをいつの間にか思い出していた。ついてに少しそのまま当時の記憶に身を委ねてみる。その当時の感覚、当時の匂いが徐々によみがえってくる。と同時に、あの頃はまだ未知の人生が両手を広げ、たくさんの選択肢があり、無限の可能性があったんだなあと少し後悔する気持ちが過る。でもまあ最悪な人生ではないな、と自分に言い聞かせるように朝のコーヒーを口にする。しばらくすると、なぜか少し嫌悪感が湧いてきた。おいおいせっかくいい思い出に浸っている朝だというのになんだ、とおれは少し焦った。同時にまさかこの時間で、という怒りに似た感情を抱く。事態は急を要していた。気が付くと全身に鳥肌が立っている。もう限界かもしれないな、とおれはシニカルに思い、トイレットへと向かった。トイレットへ向かう際、おれはいつも気を引き締めるようにしている。それは「家に帰るまでが遠足」と同じ原理、つまり「ズボンを下ろし、座るまでは気を許すな」ということだ。おれは小学生の時に苦い経験をしていたから、その辺りはよく分かっているのだ。だから自慢ではないが、大人になってからはそういった失敗は一度も無い。今回もうまく肛門括約筋をコントロールでき、便座にそろりと座ることが出来た。「よし、もう大丈夫だ。」と少しほっとしたと同時に括約筋も弛緩した。するとダムは決壊し、土石流がここぞとばかりに流れ出した。これは災害と言えるレベルだなと鼻を高くしてみる。その後も第2波、第3波と大津波が押し寄せる。そして第7波ぐらいだろうか。ようやくその勢いに陰りが見え始め、再びおれは安息に包まれた。すかさずウォシュレッとのスイッチを入れる。これだけの決壊だから、通常レベルではとても一掃は不可能だと即座に判断し、最強の一つ手前までレベルアップさせる。同時にいつもよりも長時間浴びさせ、根こそぎ一掃作戦を決行することにした。ついにある程度満足のいく段階まで到達し、攻撃を終了させようと停止装置まで手を伸ばしたところで、ハッとした。あれだけのダムが一気に決壊したということは、その土石流はつまり肛門から放射状に広がっている可能性があることに気付いたからだ。そこでおれは少しケツを浮かし、上下左右に回転させ、ケツのトップの位置付近まで、念入りに攻撃を持続させた。やはりそれが効いたのだろう。総攻撃停止後、すみやかにトイレットペーパーを引き出し、期待と不安を抱きながら、優しくケツをなでてみる。すると案の定ウォシュレットから噴射されたさわやか水のみが付着し、そこには真っ白な世界が広がっていた。おれは勝ったのだ。便器には激しい戦いの名残が見える。古戦場だな、と思った。しかし、おれは過去は振り返らない。すかさず「大」のほうのレバーをひねり、すべて流れ去ったことを指差確認し、トイレットに別れを告げた。

あるアイドルの悲劇

つ・つ・ついに!!! 公式ブログ立ち上げで~す!!
まだまだ至らぬ私ですが、みんな!どしどしカキコ待ってま~す!!(ぺこり)
特に「励ましメール」なんか嬉しいな~!!キャッピキャピ!!





某月某日;
こんばんは。はじめてカキコしまっす!!
僕は埼玉県さいたま市在住の41歳フリーターです。
ケメ子ちゃんにはいつもテレビやラジオで会ってるから、「はじめまして!」じゃないですね。(ケメちゃんにとっては初めましてだけどね~。)
ケメちゃんがはじめて登場したのは、たぶん「さいたま米物語」のCMじゃないかな?(違ったらごめんなさい)あのCMをみて、僕は衝撃を受けました。まだ16歳だったケメちゃんが、大きな声で、「さいたまのお米はおいしいおいしいビタミンC」と言ってたよね。あれで僕は、なんて大人っぽいんだ!とびっくりしたよ(いい意味で!) それからさっそくネットでサイトを探したんだけど、まだ全然引っかからなくって。(冷や汗)
そのあとのCMからかな。たしか、「受話器のコードのクルクルが~…」っていう電話機のやつ。あのころから、まだ公式サイトはなかったんだけど、チャットに結構書き込みが出てきて、あっと言う間に広がったって感じだよね。やっぱりケメちゃんをメジャーにしたのはあのCMかなっていま思います。
さて、今回ついにケメちゃんの公式ブログが公開されて、目から鱗って感じです。(涙) ラジオでのアドレス発表では、あせってメモっちゃいましたよ~。ケメちゃん緊張してたせいか言うの早いんだも~ん。(プンプン) でも念のおかげ?でわかったんで、今回さっそくアクセスして、カキコしちゃいました。
ケメちゃんはいま忙しいから、なかなか返事できないだろうけど、わかってるから返事はいいです。(笑)
「便りのないのは元気な証拠」とかっていうでしょ。(古いかな)
とにかく、これからもケメちゃんをずっと応援していきますのでよろしくね。ではお体に気をつけてがんばってカルボナーラ!!

投稿者;自称「ケメちゃん健康応援団」ガンダ夢。


某月某日;
こんばんは。ガンダ夢っす!昨日、一昨日と千葉のイベントに行っててメールできませんでした。すいません。
イベントっていうのは「キャラクターショー2004」という、ネットアイドルや同人誌なんかの新しいキャラクターの紹介を行うというものです。毎年行ってるんだけど、今年はなんか拍子抜け。これって言うキャラがなかったわけでは無いけど、心はどこか他にある感じ。ケメちゃんのせいだぞ!(プンプン)おまけに友達とキャラクターについて話して大喧嘩。あいつはわかってない!!

投稿者;ガンダ夢



某月某日
昨日はなんだか怒っちゃってすいません。イライラしちゃってて…。反省してます。怒ってない?大人げないよな。(コツン)…頭をたたく音です。
昨日カキコしたあと、ケメちゃんの写真集見てたら気分が晴れて、喧嘩した友達に自分から電話したよ。おかげで仲直りできました。ほんとケメちゃんのお陰だよ。(感謝!)
今日は僕のことを少しお話しします。
僕は前にも書いたけど、さいたま市在住の41歳です。親と同居してますが、帰ったら部屋直行だから、会話はあんまりないかな。仕事はフリーター。といってもいろいろあるけど僕は秋葉原の同人誌を専門に扱う書店で働いています。バイトだから給料安いけど、趣味を仕事にしてるって感じだからなんとかやっていけてるかな。
そうそうそこで僕の趣味の話を少ししますね。僕は子供の頃からテレビゲームをよくしていました。好きなソフトはいろいろあるけど、まあ強いて言うなら、「大ロボット伝説望郷編~ガンダーラの道~」と「おセンチさやかのワクドキ家事手伝い」かな。ケメちゃんやったことある?もしないなら今度貸しましょうか?…といっても無理か。とにかくこの2つはオススメです。
あとはやはりアニメかな。「女戦士サユリ」や「戦闘美少女大戦」がお気に入り。これはうちの書店でもかなり売れてます。
趣味はこれぐらいかな。
ケメちゃんの趣味はなんだろう?やっぱりラジオで言ってたとおり、サッカー観戦と映画鑑賞なんですか?最近日本人が作ったアニメ映画が世界的な賞をよくもらってるよね。僕も一アニメファンとして鼻高々!!僕もああいうアニメをつくってみたいなあといつも思っているよ。
もし時間があれば、映画鑑賞以外の趣味をこっそり教えてね。誰にも言わないからさ。
ではそろそろ寝ようかな。ケメちゃんはもう寝てるかな。明日もお仕事がんばってください。
そうそう、それから僕が働いてる書店は「ドリームキャラ」というところです。来ちゃだめだぞ~。
それではカルボナーラ~!!

投稿者;ガンダ夢


某月某日
誕生日おめでとう!!!
今日は21回目の誕生日だね!21歳になった感想は?って言っても今日なったばかりだからわかんないか。(笑)
ケメちゃんは僕の20歳下なんだよね。それってなんか理想。
この間の日本テレビ「禿げても人は人」見ました。初めてのドキュメンタリーの割にはしっかりリポートしてたじゃない。さすがはケメちゃんだね。
ケメちゃん最後泣いちゃったね。僕の思った通りケメちゃんは優しいな~。僕もそれ見て泣いちゃったよ。ケメちゃん、感動をありがとう。僕がそばにいれば慰めたよ。
明日は確か24時間テレビ生出演だよね。
黄色いTシャツのケメちゃん。想像しただけでワクドキだよ。
明日は必ず募金に行きます。ケメちゃんのびっくりした顔が目に浮かぶよ。ウフフ。
当日僕は右手の人さし指を耳に入れて募金します。それがサインだよ。
じゃあ明日のために今日は早く寝ます。
おやすみカルボナーラ!!

投稿者;ガンダ夢


某月某日
ケメちゃんみんながいる前だからってそっけないんだも~ん。
でもパッて目をそらしたところみると、やっぱり分かってたな(笑)
ちゃんとメール見てくれてるんだね。嬉しい!!!
つながってるっていいよね。僕もますます元気がでたぞ。
明日も一丁やってやるかのカルボナーラ~!!!

某月某日
この間の募金の時、僕の前の前に気持ち悪いやついたよね。
髪の毛ボサボサの~。あっはは。僕じゃないよ。僕はそんなにくせっけ毛じゃないし、少しくらい男前さ。(自分で言うのも何だけどさ)
あいつ気持ち悪くない?ケメちゃんとあんなに接近するなんて許せん!!
ケメちゃんにもヤな男っているよね~。
何にも分かってないくせにさ~(プンプン)
ケメちゃんは京成線の青戸に住んでるよね。えっ?なんで知ってるかって?えっへん僕はケメちゃん歴は長いんだぞ!!バカにすんない(江戸っこ風…おもしろい!?)
あっ!!もうこんな時間か…。
ケメちゃんと話してるとすぐ時間経っちゃうね。(涙)
たしかケメちゃんは明日、「ケンちゃんラーメン新発売Ⅱ」のロケだよね。がんばってね。くれぐれも「ガンダ夢」って言っちゃうのはなしだよ。(笑。それはないよね)
でも、とにかく僕はどこかでケメちゃんとつながっている感じはしています。
一段落着いたら連絡ください。僕は待ってます。いつまでも(涙)ね!!!(笑)
じゃあまた明日!カルボ・カルボナーラ!!(この言い方、使ってもいいよ。ケメちゃんならね!!」


某月某日
ケメ子ブログ閉鎖。

オタクになる方法

 長年に及ぶ経済活動の停滞化は、世の中を、俗に言う「刺激の無いもの」にしてしまっている。単調な生活に嫌気をさし、新しい生き方を模索する、そうした考え方は、むしろ自然と言えるのかもしれない。
近年「オタクになりたい」という男性が増えている。オタクたちの、他者を気にしない自由奔放な生き方に憧れるのか、はたまた現実逃避か。良きにせよ悪しきにせよ、ここでは「おたくになる方法」と題し、その具体的方法を解説する。
 よりスムーズにオタクとして認識されるには、知識と外見のどちらを優先させるべきか。これは最大のテーマであり、永遠の課題である。これはそれぞれ意見の分かれるところではあるが、多くの専門家は、「知識を優先させるべきだ」と考えており、各種論文にもそうした記述を見かける。
しかし筆者が考えるに、オタクたちのアニメやアイドルへの造形は驚くほど深く、また幅広い。そうした知識を短期間のうちに獲得できる可能性は極めて低い。仮に獲得できたとしても、圧倒的オタク経験不足のため、それを応用し、会話として成り立たせていくというのはかなり困難な作業ではないか。
こうした状況を踏まえ、私はまず「外見」を優先させ、その後、徐々に知識を増やしていくという方法を推奨したい。
それでは外見をどのように見せればよいのか。一言にオタクといっても、そのファッションは、やはり千差万別である。しかし、その中にある程度の方向性というものが存在することは周知のとおりである。
以下では、その方向性を「オタクになるための4ステップ」として明示する。後の知識獲得への足がかりとして活用していただきたい。
 まず1ステップは「メガネ」である。オタクたちは子供の頃より外で遊ぶということを好まない。従って、自然と屋内において活動することが多くなり、テレビゲームという娯楽に走る。すると当然目が悪くなる。そしてメガネをかけるようになるのである。
ここで重要となるのがその「形」である。一般的に2パターンが挙げられる。つまり①銀ブチと②黒ブチである。これはどちらを装用してもオタクとしての効果は絶大である。確実性を重視するならば、この2種類の何れかで落ち着きたいところだ。そして、さらに注意すべきことは、レンズの「汚れ」である。レンズを曇らせ、ヌルヌル感を持たせる。これがオタクとしての地位を不動のものとする。さらに欲を言えば、フチが折れていて、それを「セロテープでつなげている」と完璧である。
 第2のステップは「髪型」だ。こちらは3パターンに分けられる。すなわち、①ロンゲ②ボサボサ③なぜかスポーツ刈り である。
①については肩より長く、ベタベタしていなければ意味がない。やはり宅八郎が理想。②は読んで字の如くであるが、①同様、欠かせないのはベタベタ感である。そして後ろに寝グセがあると効果的である。肩にフケが落ちているとまた良い。③のタイプ。おそらく楽だからであろう、こちらも根強い人気を誇っている。この場合、メガネは銀ブチで少し大きめにしなければならない。
 第3ステップは「服装」である。まず基本中の基本は「チェックのシャツ」である。やや厚手の生地に赤、青、緑などが入り交じったチェック柄。いいものを選ぶコツは、今どきちょっとナシかな…と思うようなもの。
次に「ジーンズ生地のシャツ」。これは普通の人も着ている場合が多いが、重要な違いは、ズボンの中に入れること。
最後に夏場は当然「Tシャツ」である。基本的に首のゴムが伸びていること。柄については特に指定はないが、やはりこちらも、「今どきちょっと…」というようなもの。『EXPO'85』などと書いてあるのが理想。
ズボンに関しては、スリムタイプのGパンでケミカルウォッシュが「お約束」となっている。
 第4のステップは「カバン」。①リュックと②リュックにもなるカバン である。リュックは基本的に安価なもの。色は緑がよい。そしてなぜか「CHICAGO」などと書かれているべきである。②のリュックにもなるカバンは紺色。大きなもののほうがよい。肩に掛ける紐が一度切れて、それを自分なりに修理しているようなものがよい。またそれ以外にもウエストポーチ、もしくはボロボロの紙袋は「本物」として見られるためには必携のアイテムと言えるであろう。

以上の4ステップがいわゆる「オタクへの道」である。
先述のように、ここからさらに莫大なアニメとアイドルの知識を身に付けなければならない。最近ではネットアイドルなるものも存在しはじめ、ますます多岐多様にわたる広がりを見せているが、知識に関しても同様、一つ一つ階段を着実に登れば、確固とした「オタク魂」というものが確立されるであろう。
日本の未来はオタクたちに懸かっているのかも知れない。
(月刊「趣味の教室」6月号 より)