永遠の人第2話「木になる薬」&第3話「犬は木になり」 | 直井よしたかの芝居道への道

直井よしたかの芝居道への道

日々俳優として精進している直井よしたかの苦悩と煩悩の日記!!

お待たせしました!!








物語りも中盤に差し掛かってまいります!!




今日のは長いですよー(笑)





ではでは・・・どうぞー♪








「永遠の人」








脚本:堀内 洋介(ほりうち ようすけ)






写真撮影:北郷 仁(ほんごう じん)














時はまた過去にさかのぼる・・・








幹夫の過去・・・








妻のあの言葉・・・








「あの薬のワクチンを作るべきかしら・・・」










・・・














「ねぇ幹夫・・・あの薬のワクチンを作るべきかしら・・・」






新!!直井よしたか の芝居道への道








「なに?」










「木になる薬よ・・・やっぱりワクチンも開発した方がいいような気がするの・・・」










「どうして?」












・・・












開発段階での動物実験によって分かったこと・・・






それはこの薬の進行が動物の思考によって左右されてしまうこと・・・






つまり、この薬の進行をコントロールすることが不完全であることに






咲子は不安を感じていた・・・






幹夫はメモを取りながら尋ねる・・・






新!!直井よしたか の芝居道への道





「じゃあ・・・人間が飲んだらどうなる?」










「・・・人間のようにはっきりと意思を持って会話し、表現する動物ほど木には・・・なりづらい・・・」












「・・・じゃあ俺は絶対木にならないな」幹夫はおどけながらいう












「そうね・・・」咲子もクスクスと笑いながら答えた










幹夫が尋ねる・・・「一体どんな風に木になっていくんだい?」










・・・










薬を飲んだ生き物はまず色素がなくなる・・・






体毛が白く変色し、皮膚も青白くなっていく・・・






このときにはまだはっきりとした意識が残っているが






2週間もすると食欲がなくなり、徐々に意識も薄れていく・・・






ただ・・・そのときの表情は・・・苦悶に満ちた表情ではなく・・・






ただただ、幸せそうに、穏やかな顔をしているのだという・・・






そして一切反応がなくなる・・・だが脳や心臓は動いている






つまり・・・死んではいない・・・






しだいに手足の先が硬直していき心臓も止まる・・・






その変わりに、水を吸い上げる音が心臓の音のように聞こえてくる・・・








それを聞いた幹夫は確認するようにもう一度尋ねる










「なぁ・・・人間が飲んだらどうなるんだ?」










「・・・わからない・・・ただ・・・いづれは木になるんでしょうね・・・」










「幸せそうにね。じゃあさ、もしかしたら木になった方が幸せだって思う人がいるかもしれないね。こんな世の中生きていても仕方ないって思って、苦しんで生きてるより、穏やかに木になりたいって人がいるかもしれない・・・」










「恐いこと言わないでよ!・・・とにかくこの薬には不安が残るわ・・・ワクチンを作ったうえでないと・・・」












・・・











幹夫の手帳はここで終わっていた・・・














・・・


















風が・・・吹き抜ける・・・














・・・公園・・・














「おい・・・おい・・・」

















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「・・・・・・なんだ・・・お前か・・・」










幹夫の呼びかけにゆっくりとこたえる男・・・










男は薬を飲まされてから20日がたっていた・・・








初めて会ったときとは明らかに様子が違う男








・・・そんな男の様子を詳しくメモする幹夫・・・










そんな幹夫に男が尋ねる・・・










「なぁ・・・毎日ここに来て、何してるんだ?」










「・・・土を・・・集めてるんだ・・・」










「土?土を集めてどうするんだ?」










「家に・・・もって帰ってるんだ」










「花でも・・・育ててるのか?」










「まぁ・・・そんなところだ・・・」幹夫の表情が曇る・・・










「どんな花だ?」










男は無邪気に笑いながら幹夫に尋ねる・・・










・・・幹夫は黙ってしまった・・・








「・・・?・・・おい・・・」子どものように男が呼びかける・・・








「なんでもいいだろ!!」








幹夫の剣幕に男は驚いた・・・












・・・












男はそれでも、教えて欲しいと懇願する・・・どんなくだらないことでも楽しく感じるんだと・・・






人間としての感情がなくなってきているんだと、幹夫は語る・・・






その言葉を聞き、自分が人を憎まなくなったこと、恐怖心を失っていることに男は気づく・・・






そして・・・






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「もう、これで良かったんじゃないかと思うときがあるんだ・・・」そう男は呟く








「良かった?」







「生きていても辛いことばっかりだ・・・なーんにも考えないで・・・ここで佇んでるのも悪く無いなぁって・・・」









「この犬も・・・そうだったのかな・・・」








「犬のことまでわかんねーよ」












・・・










薬を飲むことで、こんな姿になっていく・・・それでも・・・ここで生きていられる・・・






生きていることが辛いなら・・・ここに佇む木になる・・・






そんなことはあってはなら無いんだ・・・








新!!直井よしたか の芝居道への道




・・・










「なんで・・・こんな薬ができたんだ・・・」幹夫が呟く








「人間が、植物になるなんてな・・・よりによってそれを死刑の変わりに使うとは・・・えげつないよなぁ・・・見ろよ・・・その犬・・・すっかり・・・木になっちまった・・・」








「あぁ・・・」














風が吹く・・・木々が騒いでいる・・・












・・・










最後に残る感情ってなんだろう?男が聞く・・・






嫌なことから先に忘れるんじゃないかと幹夫は答える・・・






「じゃあ・・・いいことが多い方が長く人間でいられっるてことかぁ・・・






・・・俺はいいことが少ないからあと少しだ・・・








新!!直井よしたか の芝居道への道








昨日ぐらいからかな・・・子どもの頃を思い出す・・・」男はそう呟いた・・・














・・・風がやさしく吹いていく・・・














「あんた・・・子どもや・・・奥さんは?」幹夫が尋ねる・・・








「・・・いない・・・俺がこんなんなったって・・・誰も悲しみはしないんだ・・・あ・・・お前は?」








「・・・妻がいる・・・子どもは・・・いない・・・」








「・・・・・・いいなぁ・・・俺も・・・子どもでもいりゃあ・・・よかったんだけどなぁ・・・」








その言葉を聞きながら、ふらふらと木の前に立ち尽くす幹夫・・・








「どうしたんだよ?・・・あ・・・その犬、やっぱりお前の犬なのか?」男は慰めるように言う・・・
















強い風が吹き・・・


 


        木がざわざわと音を立てる・・・






















「妻が・・・・・・私の妻が・・・・・・薬を飲んだ・・・・・」














「・・・・・・え?」














「・・・私の妻が・・・あんたと同じ薬を・・・飲んだのさ・・・・・」


























はいぃぃぃぃ!!!今日はここまで!!!!










長かったですねー!!書いてて疲れました(笑)








衝撃の展開!!これは続きが気になりますね!!








その続きはまた明日・・・










ではではヘ(゚∀゚*)ノ