永遠の人 第1話 「公園の犬」 | 直井よしたかの芝居道への道

直井よしたかの芝居道への道

日々俳優として精進している直井よしたかの苦悩と煩悩の日記!!

ではでは続きいきますよー






写真撮影:北郷 仁 (ほんごう じん)
















舞台はまた公園に戻る












ザクッ・・・ザクッ・・・










土をシャベルで掘る音が聞こえてくる・・・












新!!直井よしたか の芝居道への道








幹夫は土を掘っていた・・・すると










「くぅーん・・・くぅーん・・・」










力なく犬が鳴いている










幹夫は餌を出し・・・












新!!直井よしたか の芝居道への道








「ほら・・・食べないのか?・・・ほら・・・」












犬は餌を食べようともせず、黙って幹夫を見つめていた・・・












「おい・・・」














新!!直井よしたか の芝居道への道










突然近くにいた男が話しかける












男の体は拘束され、髪と肌の色は異常に白く、そこから動こうとはしない・・・いや、動けないようだった












「それはお前の犬か?・・・」












幹夫は答えない・・・












「おい!!」












男は声を荒げる












「・・・君たちと話すことは法律で禁止されている。厳しい刑罰があるんだよ」












「・・・ふん」














幹夫が静かに話し出す・・・












「こいつは私の犬ではありませんよ・・・」










「おい、喋ったら犯罪なんだろ。」










「独り言ですよ・・・」










幹夫は続けて静かに語りだした・・・








・・・










取材に来ていた幹夫はいつもこの犬に吠えられていた・・・






餌を与えるとおとなしくなる事を知った幹夫は、それから来るたびに餌をやっていた






そのうち犬も幹夫を覚え、幹夫が来ると尻尾を振って待っているようになっていたという






しかし、前の日からもう食欲もなくなり、元気がなくなってきていた・・・






その言葉を聞いた男は何かに怯えるように










新!!直井よしたか の芝居道への道










「それじゃあ・・・時間の問題だ・・・」と呟く・・・
















風が吹き、木の葉がざわついていた・・・


















「何をしたんだ・・・あんた・・・」幹夫が尋ねる










「盗み、恐喝、強盗、殺し・・・生きるためになんでもやった・・・何が悪いんだよ」










世の中へ怒りをぶつけるように必死でもがく男・・・










新!!直井よしたか の芝居道への道






そんな男に幹夫は食べ物を渡す・・・












新!!直井よしたか の芝居道への道






「何のつもりだ・・・」








「またうるさいのが増えた・・・」








新!!直井よしたか の芝居道への道






「俺は犬じゃねぇぞ!!」










「人間として最後の飯になるかもしれないぞ・・・」










その言葉を聞き、男は必死にもがき食べようとする、だが拘束具が邪魔で食べられない・・・






それに気づいた幹夫が食べさせてやろうと近づくと・・・






男はまるで「お前の慈悲などいるか!!」とでも言うようにその手にあった物を投げ捨てた・・・












また・・・風が吹き抜ける・・・















新!!直井よしたか の芝居道への道













「その犬は野良犬か?」男が突然口を開く・・・








「そうでしょうね・・・」








「野良犬も暮らしにくい世の中になったな・・・」








「えぇ・・・」








・・・








人に危害を加えた犬や猫はたとえ飼い犬、飼い猫であったとしても、保健所に訴えられれば






この犬と同じようにされていた・・・それは革命家や国にとって存在が邪魔な物






そしてこの男のような犯罪者も同じだった・・・






皮肉にも日本はある薬一つで、もとの平和な国をとり戻しだしていた










「いつ・・・薬を飲まされたんです?」幹夫が尋ねる・・・








男は、一週間前に薬を飲まされ、昨日の夜ここに運ばれたのだという








「あと2週間もすれば、きっとこんな風に話せなくなる・・・」








男は何かに怯えたように呟く








「さぞ、怖いだろうね・・・」幹夫は言う








「怖くなんか無い・・・こんな世の中、生きていたって仕方ねぇんだ!!仕方ねぇんだよ・・・」






男はまるで自分の恐怖を振り払うように声を荒げ言う








幹夫はその言葉を聞き・・・何か思い出したような顔をしていた








それに気がついた男は「どうした?」と尋ねる








幹夫はふと我にかえり、言う










「いや、この公園もずいぶん緑が増えましたね・・・」








「ひでぇ国になったもんだ・・・」








男は、憎しみをこめてそう呟いた・・・






















はい!!本日はここまでです!!








ようやくでてきましたよ(笑)






そうです、僕は犯罪者なんです






さぁさぁ、この男と幹夫はi一体どうなっていくのか・・・






続きはまた明日・・・










お楽しみにー!!














直井よしたか