今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た2026年3月第3週最終取引日3月19日(木)から3月第4週最終取引日3月27日(金)の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。
日次とは、1日ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場の日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=144.31円~144.33円のように幅で表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル=144.31円と小さい数値、円高・ドル安の数値が使用されます。
グラフには2026年3月19日(木)~3月27日(金)までの日次データが青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値が北(南)方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2026年3月19日(木)の円ドルレートは1ドル=159.20円、3月27日(金)159.94円なので、42026年3月19日(木)~3月27日(金)の円ドルレートの変動は0.74円の円安・ドル高であったことが、グラフから読み取れます。
2026年3月23日(月) ・25日(水)・26日(木)・27日(金)が前週末比並びに前日比各0.38、0.64、0.36、0.45円の円安・ドル高となった一方で、24日(火)は前日比1.09円の円高・ドル安となったことをグラフから読み取れます。その結果、2026年先月末2月27日(金)終値156.08円と比べると、2026年3月第4週最終取引日3月27日(金)は3.86円の円安・ドル高となりました。
途中の行き過ぎた円安・ドル高や円高・ドル安に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。2026年3月19日(木)159.20円から3月27日(金)159.94円までの変動範囲の中で、2026年3月19日(木)159.20円より円安・ドル高となる最初の取引日、次にその日より円安・ドル高となる日、3月27日(金)159.94円までそのような手順を繰り返すと、3月19日(木)159.20円、23日(月)159.58円が該当することをグラフより読み取れます。したがって、2026年3月19日(木)159.20円、23日(月)159.58円と3月第4週最終取引日である3月27日(金)159.94円を結ぶ薄茶色のグラフが傾向線となります。
2026年3月第3週最終取引日3月19日(木)159.20円から、いわば一直線で3月第4週最終取引日である3月27日(金)に0.74円の円安・ドル高となったと想定したのが、傾向線です。
2026年3月第4週の円ドルレートは、週明け後円安・ドル高でスタート、しかし翌取引日には揺り戻しの大幅な円安・ドル高へ反転、翌取引日からは2日間連続の円安・ドル高、最終取引日にも引き続き円安・ドル高が持続、米国とイランの和平交渉の行き詰まり・原油価格の高値圏推移による日本の貿易赤字拡大や交易条件悪化への思惑・米地上部隊1万人追加派遣の検討などを通して、4度の円安・ドル高が円高・ドル安を上回り、最終的にはスタート時点の円ドルレートより0.74円低い円安・ドル高が支配する循環的変動となりました。このような傾向線の背後にある0.74円の円安・ドル高の原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。
第1は、米国が仲介役のパキスタンを通じて提示した15項目の停戦条件についてイラン側が「過度な要求」であるとして拒否する一方、イラン側は戦闘終結に向けてホルムズ海峡の主権承認や賠償金の支払いなどを求めるとイラン国営放送は報じたので、和平交渉の進展が難しいとの見方を受け、基軸通貨で信用力が高いとされるドルに対円で「有事の買い」が入ったことです。
第2は、ニューヨーク原油先物市場のWTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近物は1バレル93~95ドル台まで上昇する場面が出て、原油価格の高値圏推移により日本の貿易赤字拡大や交易条件悪化への思惑も、円相場の重荷となったことです。
第3は、イランは米国が示した和平計画を拒否し、トランプ米大統領は合意しなければイランがさらなる攻撃に直面すると警告したのに加え、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版が「米国防総省による中東への地上部隊1万人追加派遣の検討」を報じたので、中東情勢の緊迫が速やかに解消されないとの懸念に基づき対円でドル買いが広がったことです。
