今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た2024年11月第1週最終取引日11月1日(金)から11月第2週最終取引日11月8日(金)の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。
日次とは、1日ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場の日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=123.35円~123.45円のように幅で表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル= 123.35円と小さい数値、円高・ドル安の数値が使用されます。
グラフには2024年11月1日(金)~11月8日(金)までの日次データが青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値が北(南)方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2024年11月1日(金)の円ドルレートは1ドル=152.54円、11月8日(金)152.63円なので、2024年11月1日(金)~11月7日(金)1週間の円ドルレートの変動は0.09円の円安・ドル高であったことが、グラフから読み取れます。
2024年11月5日(火)・8日(金)が前週末比並びに前日比各0.27、1.36円の円高・ドル安となった一方で、6日(水)・7日(木)が前日比各1.66、0.06円の円安・ドル高となったことが、グラフから読み取れます。その結果、2024年先月末10月31日(木)終値152.24円と比べると、2024年11月第2週最終取引日11月8日(金)は0.39円の円安・ドル高となりました。なお、11月4日 (月)は文化の日振替祝日による取引休業日でした。
途中の行き過ぎた円安・ドル高や円高・ドル安に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。2024年11月1日(金)152.54円から11月8日(金)152.63円までの変動範囲の中で、2024年11月1日(金)152.54円より円安・ドル高となる最初の取引日、次にその日より円安・ドル高となる日、11月8日(金)152.63円までそのような手順を繰り返すと、該当する取引日がないことをグラフより読み取れます。したがって、2024年11月8日(金)152.54円と2024年11月第2週最終取引日である11月8日(金)152.63円を結ぶ薄茶色のグラフが傾向線となります。
2024年11月第1週最終取引日11月1日(金)152.54円から、いわば一直線で11月第2週最終取引日である11月8日(金)に0.09円の円安・ドル高となったと想定したのが、傾向線です。
2024年11月第2週の円ドルレートは、週明け後の祝日をはさんで円高・ドル安でスタート、しかし翌取引日から2日間連続で揺り戻しの大幅と小幅な円安・ドル高、そして最終取引日には再び大幅な円高・ドル安へ回帰、米大統領選でのトランプ前大統領の当選確実と連邦議会選での共和党の上院過半数獲得や国内輸入企業などによる円売り・ドル買いが微かに円高・ドル安圧力を上回り、最終的にはスタート時点の円ドルレートをわずか0.09円下回る円安・ドル高で終わる、円安・ドル高と円高・ドル安が交錯する循環的変動となりました。このような傾向線の背後にある0.09円の円安・ドル高の原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。
第1は、米大統領選では共和党のトランプ前大統領の当選が確実となり、連邦議会選でも共和党が上院の過半数を握ったのを受け、米国での財政拡張やインフレ再燃への思惑を通して米長期金利が大きく上昇し、日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いに弾みがついたことです。
第2は、国内輸入企業などの実需筋による円売り・ドル買い観測も円相場を下押ししたことです。
