今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た2024年6月第5週最終取引日6月28日(金)から7月第1週最終取引日7月5日(金)の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。
日次とは、1日ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場の日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=123.35円~123.45円のように幅で表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル= 123.35円と小さい数値、円高・ドル安の数値が使用されます。
グラフには2024年6月28日(金)~7月5日(金)までの日次データが青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値が北(南)方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2024年6月28日(金)の円ドルレートは1ドル=160.92円、7月5日(金)160.76円なので、2024年6月28日(金)~7月5日(金)1週間の円ドルレートの変動は0.16円の円高・ドル安であったことが、グラフから読み取れます。
2024年7月1日(月)・2日(火)・3日(水)が前週末比並びに前日比各0.09、0.63、0.11円の円安・ドル高となった一方で、27日(木)・28日(金)は前日比各0.48、0.51円の円高・ドル安となったことが、グラフから読み取れます。その結果、2024年先月末6月28日(金)終値160.92円と比べると、2024年7月第1週最終取引日7月5日(金)は0.16円の円高・ドル安となりました。
途中の行き過ぎた円高・ドル安や円安・ドル高に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。2024年6月28日(金)160.92円から7月5日(金)160.76円までの変動範囲の中で、2024年7月5日(金)円より円高・ドル安となる最初の取引日、次にその日より円高・ドル安となる日、7月5日(金)160.76円までそのような手順を繰り返すと、該当する取引日がないことを、グラフより読み取れます。したがって、2024年6月28日(金)160.92円と2024年7月第1週最終取引日である5日(金)160.76円を結ぶ薄茶色のグラフが傾向線となります。
2024年6月第5週最終取引日6月28日(金) 160.92円から、いわば一直線で7月第1週最終取引日である7月5日(金)に0.16円の円高・ドル安となったと想定したのが、傾向線です。
2024年7月第1週の円ドルレートは、週明け後から3日間連続の円安・ドル高でスタート、しかしその後は円高・ドル安へ回帰、取引最終日にも引き続き円高・ドル安の持続、米景気の底堅さ・国内輸入企業の実需動向・米現前大統領によるテレビ討論会結果・堅調な日本株相場などを通じた前半の円安・ドル高の勢いが、米労働需給の緩和や米景気減速・国内輸出企業の実需動向・6月米雇用統計における米労働需給の緩和予想などに基づく後半の円高・ドル高圧力によって逆転され、最終的にはスタート時点の円ドルレートをわずか0.16円上回る円高・ドル安で終わる、大反転の循環的変動となりました。このような傾向線の背後にある0.16円の円高・ドル安の原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。
ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想によると6月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比20万人増と5月(27万2000人増)に比べ減速が見込まれるとともに、平均
時給の伸び率も小幅に鈍化すると予想されているので、米労働市場の軟化を示す内容となる可能性が意識され、発表前に円売り・ドル買いの持ち高を整理する動きが出たことです。