今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た20246月第5週最終取引日628()から7月第1週最終取引日75()の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。

 

 日次とは、1ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=123.35円~123.45のようにで表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル= 123.35円と小さい数値円高・ドル安の数値が使用されます。

 

 グラフには2024628()75()までの日次データ青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値()方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2024628()の円ドルレートは1ドル=160.9275()160.76なので、2024628()75()1週間の円ドルレートの変動0.16・ドル安であったことが、グラフから読み取れます。

 

 

 202471()2()3()前週末比並びに前日比各0.090.630.11円安・ドル高となった一方で、27()28()前日比各0.480.51円高・ドル安となったことが、グラフから読み取れます。その結果、2024年先月末628()終値160.92と比べると20247月第1週最終取引日75()0.16円高・ドル安となりました。

 

 途中の行き過ぎた円高・ドル安や円安・ドル高に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。2024628()160.92から75(金)160.76円までの変動範囲の中で、202475()より円高・ドル安となる最初の取引日次にその日より円高・ドル安となる日75(金)160.76円までそのような手順を繰り返すと、該当する取引日がないことを、グラフより読み取れます。したがって、2024628()160.9220247月第1週最終取引日である5()160.76円を結ぶ薄茶色のグラフ傾向線となります。

 

 202465週最終取引日628() 160.92から、いわば一直線7月第1週最終取引日である75()0.16円高・ドル安となったと想定したのが、傾向線です。

 

 20247月第1週の円ドルレートは、週明け後から3日間連続の円安・ドル高でスタート、しかしその後は円高・ドル安へ回帰、取引最終日にも引き続き円高・ドル安の持続、米景気の底堅さ・国内輸入企業の実需動向・米現前大統領によるテレビ討論会結果・堅調な日本株相場などを通じた前半の円安・ドル高の勢いが、米労働需給の緩和や米景気減速・国内輸出企業の実需動向・6月米雇用統計における米労働需給の緩和予想などに基づく後半の円高・ドル高圧力によって逆転され、最終的にはスタート時点の円ドルレートをわずか0.16円上回る円高・ドル安で終わる、大反転の循環的変動となりました。このような傾向線の背後にある0.16円高・ドル安原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。

 

 ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想によると6月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比20万人増と5月(27万2000人増)に比べ減速が見込まれるとともに、平均

時給の伸び率も小幅に鈍化すると予想されているので、米労働市場軟化を示す内容となる可能性が意識され、発表前に円売り・ドル買いの持ち高を整理する動きが出たことです。