今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た20245月第1週最終取引日52()から5月第2週最終取引日510()の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。

 

 日次とは、1ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=123.35円~123.45のようにで表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル= 123.35円と小さい数値円高・ドル安の数値が使用されます。

 

 グラフには202452()510()までの日次データ青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値()方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2024年52()の円ドルレートは1ドル=155.48510()155.68なので、202452()510()1週間の円ドルレートの変動0.20円安・ドルであったことが、グラフから読み取れます。

 

 

 202457()10()前週末比並びに前日比各1.370.14円高・ドル安となった一方で、8()9()は2日間連続で前日比各1.210.50円安・ドル高となったことが、グラフから読み取れます。その結果、2024年先月末430()終値156.85と比べると20245月第2週最終取引日510()1.17円高・ドル安となりました。なお、5月6日(金)は子供の日振替祝日に伴う取引休業日でした。

 

 途中の行き過ぎた円高・ドル安や円安・ドル高に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。202452()155.48から510()155.68までの変動範囲の中で、202452()155.48より円安・ドル高となる最初の取引日次にその日より円安・ドル高となる日510()155.68までそのような手順を繰り返すと、該当する取引日がないことを、グラフより読み取れます。したがって、202452()155.4820245月第2週最終取引日である10()155.68円を結ぶ薄茶色のグラフ傾向線となります。

 

 202451週最終取引日52()155.48から、いわば一直線5月第2週最終取引日である510()0.20円安・ドル高となったと想定したのが、傾向線です。

 

 20245月第2週の円ドルレートは、週明け祝日後の大幅な円高・ドル安でスタートし、その後2日間連続で円安・ドル高の揺り戻しが到来、取引最終日には再び円高・ドル安へ回帰、米労働市場の過熱感後退と米連銀高官による政策金利維持姿勢が拮抗しますが、最終的にはスタート時点の円ドルレートを0.20円下回る円安・ドル高で終わる、循環的変動となりました。このような傾向線の背後にある0.20円安・ドル高原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。

 

 コリンズ米ボストン連銀総裁が現行の米政策金利維持する必要性に言及し、米政策金利高止まりするとの見方が強まったのに加え、米財務省が実施した10年物米国債入札が「やや低調」との受け止めもあって米長期金利上昇し、日本時間9日の取引でも高水準で推移したので、日米金利差が大きく開いた状態が続くとの見方が円相場下押ししたことです。