今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た2024年5月第1週最終取引日5月2日(木)から5月第2週最終取引日5月10日(金)の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。
日次とは、1日ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場の日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=123.35円~123.45円のように幅で表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル= 123.35円と小さい数値、円高・ドル安の数値が使用されます。
グラフには2024年5月2日(木)~5月10日(金)までの日次データが青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値が北(南)方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2024年5月2日(木)の円ドルレートは1ドル=155.48円、5月10日(金)155.68円なので、2024年5月2日(木)~5月10日(金)1週間の円ドルレートの変動は0.20円の円安・ドル高であったことが、グラフから読み取れます。
2024年5月7日(火)・10日(金)が前週末比並びに前日比各1.37、0.14円の円高・ドル安となった一方で、8日(水)・9日(木)は2日間連続で前日比各1.21、0.50円の円安・ドル高となったことが、グラフから読み取れます。その結果、2024年先月末4月30日(火)終値156.85円と比べると、2024年5月第2週最終取引日5月10日(金)は1.17円の円高・ドル安となりました。なお、5月6日(金)は子供の日振替祝日に伴う取引休業日でした。
途中の行き過ぎた円高・ドル安や円安・ドル高に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。2024年5月2日(木)155.48円から5月10日(金)155.68円までの変動範囲の中で、2024年5月2日(木)155.48円より円安・ドル高となる最初の取引日、次にその日より円安・ドル高となる日、5月10日(金)155.68円までそのような手順を繰り返すと、該当する取引日がないことを、グラフより読み取れます。したがって、2024年5月2日(木)155.48円と2024年5月第2週最終取引日である10日(金)155.68円を結ぶ薄茶色のグラフが傾向線となります。
2024年5月第1週最終取引日5月2日(木)155.48円から、いわば一直線で5月第2週最終取引日である5月10日(金)に0.20円の円安・ドル高となったと想定したのが、傾向線です。
2024年5月第2週の円ドルレートは、週明け祝日後の大幅な円高・ドル安でスタートし、その後2日間連続で円安・ドル高の揺り戻しが到来、取引最終日には再び円高・ドル安へ回帰、米労働市場の過熱感後退と米連銀高官による政策金利維持姿勢が拮抗しますが、最終的にはスタート時点の円ドルレートを0.20円下回る円安・ドル高で終わる、循環的変動となりました。このような傾向線の背後にある0.20円の円安・ドル高の原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。
コリンズ米ボストン連銀総裁が現行の米政策金利を維持する必要性に言及し、米政策金利が高止まりするとの見方が強まったのに加え、米財務省が実施した10年物米国債入札が「やや低調」との受け止めもあって米長期金利が上昇し、日本時間9日の取引でも高水準で推移したので、日米金利差が大きく開いた状態が続くとの見方が円相場を下押ししたことです。