今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た2024年3月第4週最終取引日3月22日(金)から3月第5週最終取引日3月29日(金)の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。
日次とは、1日ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場の日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=123.35円~123.45円のように幅で表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル= 123.35円と小さい数値、円高・ドル安の数値が使用されます。
グラフには2024年3月22日(金)~3月29日(金)までの日次データが青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値が北(南)方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2024年3月22日(金)の円ドルレートは1ドル=151.39円、3月29日(金)151.33円なので、2024年3月22日(金)~3月29日(金)1週間の円ドルレートの変動は0. 06円の円高・ドル安であったことが、グラフから読み取れます。
2024年3月25日(月)・28日(木)・29日(金)が前週末比並びに前日比各0.07、0.27、0. 10円の円高・ドル安、26日(火)は前日比横ばいとなった一方で、27日(水)は前日比0.38円の円安・ドル高となったことが、グラフから読み取れます。その結果、2024年先月末2月29日(木)終値149.66円と比べると、2024年3月第5週最終取引日3月29日(金)は1.67円の円安・ドル高となりました。
途中の行き過ぎた円高・ドル安や円安・ドル高に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。2024年3月22日(金)151.39円から3月29日(金)151.33円までの変動範囲の中で、2024年3月22日(金)151.39円より円高・ドル安となる最初の取引日、次にその日より円高・ドル安となる日、3月29日(金)151.33円までそのような手順を繰り返すと、該当する取引日がないことを、グラフより読み取れます。したがって、2024年3月22日(金)151.39円と2024年3月第5週最終取引日である29日(金)151.33円を結ぶ薄茶色のグラフが傾向線となります。
2024年3月第週4最終取引日3月22日(金)151.39円から、いわば一直線で3月第5週最終取引日である3月29日(金)に0.06円の円高・ドル安となったと想定したのが、傾向線です。
2024年3月第5週の円ドルレートは、週明け後円高・ドル安でスタート、翌日は横ばいで推移、その後円安・ドル高へ転換、そして再び円高・ドル安へ回帰、取引最終日にも引き続き円高・ドル安となり、日本政府・日銀は為替介入に動くとの警戒感の下で、最終的にはスタート時点の円ドルレートをわずか0.06円上回るほぼ横ばいの円高・ドル安で終わる、循環的変動となりました。このような傾向線の背後にある0.06円の円高・ドル安の原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。
第1は、輸出企業など国内実需筋の円買い・ドル売りが入ったとの観測が、円相場を押し上げたことです。
第2は、日本政府・日銀による円買い為替介入への警戒や、週末を控えた持ち高調整目的の円買い・ドル売りが、やや優勢となったことです。