今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た2024年2月第3週最終取引日2月16日(金)から2月第4週最終取引日2月22日(木)の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。
日次とは、1日ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場の日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=123.35円~123.45円のように幅で表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル= 123.35円と小さい数値、円高・ドル安の数値が使用されます。
グラフには2024年2月16日(金)~2月22日(木)までの日次データが青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値が北(南)方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2024年2月16日(金)の円ドルレートは1ドル=150.23円、2月22日(木) 150. 12円なので、2024年2月16日(金)~2月22日(木)1週間の円ドルレートの変動は0. 11円の円高・ドル安であったことが、グラフから読み取れます。
2024年2月19日(月)・21日(水) ・22日(木)が前週末比並びに前日比各0.26、0.21、0.02円の円高・ドル安となった一方で、20日(火)が前日比0.38円の円安・ドル高となったことが、グラフから読み取れます。その結果、2024年先月末1月31日(水)終値147.65円と比べると、2024年2月第3週最終取引日2月22日(木)は2.47円の円安・ドル高となりました。なお、2月23日(金)は天皇誕生日の祝日による取引休業日です。
途中の行き過ぎた円高・ドル安や円安・ドル高に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。2024年2月16日(金)150.23円から2月22日(木) 150.12円までの変動範囲の中で、2024年2月16日(金)150.23円より円高・ドル安となる最初の取引日、次にその日より円高・ドル安となる日、2月22日(木)150.12円までそのような手順を繰り返すと、2024年2月21日(水)150.14円のみが該当することを、グラフより読み取れます。したがって、2024年2月16日(金)150.23円、21日(水)150.14円と2024年2月第4週最終取引日である22日(木)150. 12円を結ぶ薄茶色のグラフが傾向線となります。
2024年2月第3週最終取引日2月16日(金)150.23円から、いわば一直線で2月第4週最終取引日である2月22日(木)に0.11円の円高・ドル安となったと想定したのが、傾向線です。
2024年2月第4週の円ドルレートは、週明け後円高・ドル安でスタート、その後円安・ドル高へ転換、そして再度円高・ドル安へ回帰、取引最終日にも微かな円高・ドル安が持続し、最終的にはスタート時点の円ドルレートを僅か0.11円上回る円高・ドル安で終わる、円高・ドル安と円安・ドル高が拮抗した循環的変動となりました。このような傾向線の背後にある0.11円の円高・ドル安の原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。
第1は、1月米景気先行指標総合指数は前月比0.4%低下とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%低下)以上に悪化し、米経済が減速しているとの見方に基づき米国債が買われて米長期金利が低下したのを受け、日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが入ったことです。
第2は、植田和男日銀総裁は衆院予算委員会で「今はインフレかデフレか」と問われ、デフレではなくインフレの状態にあるとの見解を示したので、日銀が近く金融政策正常化に動くとの観測や持ち高調整目的の円買い・ドル売りは円相場を支えたことです。