今回のLink MEは特別編として経済コラム「先週の円ドルレート」を掲載します。日末値変化で見た2023年12月第1週最終取引日12月1日(金)から12月第2週最終取引日12月8日(金)の円ドルレート変動の原因を、東京外国為替市場の日次データを用い、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき解説します。
日次とは、1日ごとのデータであることをそれぞれ意味しています。東京外国為替市場の日次データは、午後5時の取引終了時点での円ドルレート終値となります。円ドルレート終値は、1ドル=123.35円~123.45円のように幅で表示されます。幅ではなく1つの数字で表示する場合は、1ドル= 123.35円と小さい数値、円高・ドル安の数値が使用されます。
グラフには2023年12月1日(金)~12月8日(金)までの日次データが青の折れ線で記載されています。縦軸の円ドルレートの数値が北(南)方向へ行くほど小さ(大き)くなるように、言い換えると円高・ドル安(円安・ドル高)になるように、描かれています。2023年12月1日(金)の円ドルレートは1ドル=148.28円、12月8日(金)144.08円なので、2023年12月1日(金)~12月8日(金)1週間の円ドルレートの変動は4.20円の円高・ドル安であったことが、グラフから読み取れます。
2023年12月4日(月)・5日(火)・7日(木)・8日(金)が前週末比並びに前日比各1.33、0.12、1.29、1.59円の円高・ドル安となった一方で、6日(水)が前日比0.13円の円安・ドル高となったことが、グラフから読み取れます。その結果、2023年先月末11月30日(木)終値147.05円と比べると、2023年12月第2週最終取引日12月8日(金)は2.97円の円高・ドル安となりました。
途中の行き過ぎた円高・ドル安や円安・ドル高に戻った日を以下のように除外して、傾向線を求めます。2023年12月1日(金)148.28円から12月8日(金)144.08円までの変動範囲の中で、2023年12月1日(金)148.28円より円高・ドル安となる最初の取引日、次にその日より円高・ドル安となる日、12月8日(金)144.08円までそのような手順を繰り返すと、12月4日(月)146.95円、5日(火)146.83円、7日(木) 145.67円が該当することを、グラフより読み取れます。したがって、2023年12月1日(金)148.28円、4日(月) 146.95円、5日(火)146.83円、7日(木)145.67円と2023年12月第2週最終取引日である8日(金)144.08円を結ぶ薄茶色のグラフが傾向線となります。
2023年12月第1週最終取引日12月1日(金)148.28円から、いわば一直線で12月第2週最終取引日である12月8日(金)に4.20円の円高・ドル安となったと想定したのが、傾向線です。
2023年12月第2週の円ドルレートは、週明け後2日間連続で大幅な円高・ドル安のスタート、その後一転して小幅な円安・ドル高へ転換、しかし再び大幅な円高・ドル安へ回帰、取引最終日にもさらに急激な円高・ドル安となり、最終的にはスタート時点の円ドルレートを4.20円上回る急激かつ大幅な円高・ドル安で終わる、米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクル終了と日銀の金融政策正常化の思惑が支配的となったほぼ単調的変動となりました。このような傾向線の背後にある4.20円の円高・ドル安の原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づき検討すると、以下のようになります。
第1は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、現在の政策金利の水準を巡り「かなり抑制的な水準」と述べたので、FRBの利上げサイクルが終了するとの見方に基づき米長期金利が低下し、日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが入ったことです。
第2は、米国労働需給逼迫感の緩和に基づくFRBの追加利上げ無しとの観測により、約3カ月ぶりの低水準となった米長期金利を受け、円買い・ドル売りが先行したことです。
第3は、30年債入札の「不調」な結果が、幅広い年限で国債利回りを上昇させ、日米金利差縮小により円高・ドル安が進行したことです。
第4は、「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」との植田日銀総裁の参院財政金融委員会での発言や、岸田首相と植田日銀総裁の会談に加え、大規模な金融緩和の出口を迎えた際に経済への悪影響は比較的少ないとの氷見野日銀副総裁の見方が、日銀の政策正常化への思惑を高め、これまで積み上げられていた円売り・ドル買い持ち高を縮小する動きが出て、円買い・ドル売りが加速したことです。
