今回のLink MEは特別編として経済コラム「為替レート変動と原因 [79]」に引き続き、月末値変化で見た2018年3月の円ドルレート変動の原因を、日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事と「為替レート決定の仕組み ①~③」で説明した利子(金利)裁定式、に基づき解説します。
「為替レート変動と原因 [77]で観察したように、2月28日(水) 107.07円から出発し、3つの中循環を経て、3月最後の取引日30日(金)に前日比0.39円の円高・ドル安で行き過ぎた円安・ドル高を修正し、前月比0.89円という円高・ドル安106.18円で終えたのが、2018年3月の円ドルレート変動でした。
日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事からは、行き過ぎた円高・ドル安局面と行き過ぎた円高・ドル安の修正局面の原因は、米国の保護主義的な通商政策による先行き不透明感の高まりと保護主義的な米通商政策への過度な懸念の緩和、であと指摘されており、それらが引き金となって上記の各循環が発生したことが伺えます。
「為替レート決定の仕組み ①~③」で説明した、利子裁定式i-i*=(πe-π)/πを予想為替レート(πe)について解いたπe=π(1+i-i*)を使って、2018年2月28日(水)と3月30日(金)の予想為替レートを求めてみます。利子率(金利)データは日米10年物国債利子率を使用します(時差を考慮し米利子率は前日データ)。
2018年2月28日(水)の円ドルレート終値(π) 107.17円、円利子率(i) 0.045%、米利子率(i*)2. 890%を上式に代入すると、予想為替レート(πe)は104.02円となります。同様に年3月30日(金)の円ドルレート終値106.18円、円利子率0.045%、米利子率 2. 740%を上式に当てはめると、予想為替レートは103.32円となります。2018年2月28日(水)から3月30日(金)にかけての予想為替レート変化0.70円の円高・ドル安、他方両日の日米利子率格差はそれぞれ、-2. 845%、-2.695 %で日米利子率格差変化(Δ(i-i*) ) 0.150%縮小となります。
これらの値を以下の計算式に当てはめると、予想為替レートの変化(Δπe) 0.70円の円高・ドル安が現実為替レートの変化(Δπ)へ及ぼした円高・ドル安効果は0.72円、他方日米利子率格差変化(Δ(i-i*) ) 0.150%縮小が現実為替レートの変化(Δπ)へ及ぼした円高・ドル安効果は0.16円、-0.89(現実為替レートの変化) ≑-0.72円-0.16円が得られます。
日経新聞電子版マーケット欄為替・金融記事に基づくと、予想為替レートの変化(Δπe) 0.70円の円高・ドル安が現実為替レートの変化(Δπ)へ及ぼした円安・ドル高効果0.72円の原因は、米中の景気指標悪化に基づく世界経済の先行き不透明感、トランプ米大統領による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限発動方針を材料とした米国が保護主義とドル安容認姿勢の強化、日銀の金融政策が早期に正常化へ向かうとの思惑、学校法人「森友学園」への国有地売却に関連した国内政治の混乱、となります。