子宮頸がん検査の結果はこんなに幅があるのです | 臭いとオリモノ博士・・ブログ

子宮頸がん検査の結果はこんなに幅があるのです

検査には精度(どれだけ実際の値に近いか)はつきものです。


例えば、


クラミジアに感染しているかどうかを調べるにしても、


いろいろな検査方法があり、


それぞれ精度が異なります。



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一番上の核酸増幅法は、


検体の中にクラミジアが1個でもあれば検出できる方法です。


一番下の酵素免疫法は5000個位ないと検出できないということになります。



子宮頸癌検査はどうでしょう?


精密検査を必要とする異常な細胞(LSIL、クラスⅢa以上)の検出率でみると、


全国規模で検診を行っている対がん協会の2009年度に実施した成績が2011年2月1日の対がん協会報に載っています。


最も低い県で 0.2%、最も高い県で 2.2% 、全国の平均が 1.0% です。


検査の方法や集計に若干の違いがあるかも知れませんが、医師が採取して行った検査でも、発見率にこれだけの違いがあるのです。



ちなみに、医師が綿棒で採取し、液状化処理した当社の成績2010年は、日本臨床細胞学会雑誌50巻補冊2、2011年に載っています。


 1.82%


加藤式という自己採取器具で採取し、その器具で直接塗抹した成績が名古屋公衆医学研究所から報告されています。


 0.89%-0.99%


医師が採取る対がん協会の全国平均とほぼ同じ発見率ですので、加藤式採取器具は医師が採取したのとほぼ同じと考えることができます。


加藤式器具で自己採取し、採取された細胞成分を液の中に洗い出し、遠心分離で細胞成分を集めたもので標本を作製する当社の方法は、日本臨床細胞学会雑誌50巻補冊2、2011年に載っています。


 2.0%


細胞を集め、観察しやすい標本を作製する事と、観察する細胞検査士に“ASC-USの鉄則を遵守”させることで、検出率が上がるのです。これは2012年日本臨床細胞学会総会で発表予定です。


採取器具の種類は不明ですが、加藤式以外の器具が含まれている自己採取法の検出率が第29回東京都衛生検査所精度管理報告書に載っています。


年間5000件以上検査する施設の検出率は


0.36%、0.36%、0.44%、0.92%


0.92%を報告している検査会社に問合せた所、加藤式以外の採取器具を使用し、対象は風俗の定期検査の成績とのことでした。自己採取法でも採取器具や標本の作製方法、さらに細胞を観察する人によって検出率に違いが出てしまうのです。


子宮頸癌検査は2年に1度でよい・・・という意見もありますが、私達は少なくても年に一度は受けたほうが良いと考えています。


次回はその理由を書きます。