思い込みは事故のもと | 吉村整形外科クリニックのブログ

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日々の出来事を徒然なるまま書き綴っています。

学校で転倒して左肘をついてから左肘を伸ばさなくなったとのことで、6歳の男児のお母さんが心配になってこられました。受傷機転からすると骨折やろけど肘内障もないとは言えんなあ、などと思ったのですが、右肘の完全伸展ができないし、回内位でも伸ばそうとするととっても痛がるのです。

レントゲンを見てもfat pad signも有るんだか無いんだか・・・どうも折れてそうな所はないなあ、などと思いつつ、肘内障のグリグリした整復はやめとこう、と思いました。

そこでMRIを撮ってもらいに紹介状を書きましたところ、やはり肘に骨折があったとのことでした。

肘内障だと思い込んで、ぐりぐり動かしていたら、骨折をさらにひどくするところでした。

こういうちょっとした違和感に対する勘って大事なのですね。危機管理にもつながります。吉村整形外科クリニックでは常にそういう部分を大事にしております。結果、肘内障であったとしても、それはそれでいいのです。ひどいことをしてしまってからでは遅いのです。そのあたりを的確に判断して手術すべきもの、精査すべきものは病院に送るというのが開業医の仕事と認識しております。