骨折して唯一よかったことは、人の情けに触れたこと。

お名前をあげて全部を書きはしないけれど、なるべく私の負担にならないように晩ごはんを差し入れてくれたり、お茶とか飲みものを送ってくれたり、パジャマやTシャツをいただいたり、お花をいただいたり、絵をいただいたり、音楽を送っていただいたり、心強い言葉をいただいたり、治療していただいたり、いろんなことがあった。

さりげないけど、温かいことばかりだったなあ〜。

それから、フィジカルに生きることの大切さを深く知った。直ったらたくさん歩きたい!

 

元担当編集者だった松家さんの新作。雑誌に載っていたときはもったいないから単行本を待とうと思っていた。

松家さんとはいっしょにたくさん旅をしたし、みんなで雑魚寝したりしたし、赤ちゃんが生まれて最初の外食をアレンジしてもらったり、いろんなことがあった。

だからなんとなく松家さんの周りを流れる時間の感じを知っていて、読んでいるあいだ幸せになる。

青春小説と書いてあるけれど、青春のもがきに触れて救われた大人たちの物語かも。まっとうな人生を少しだけ外れてしまったよるべない3人が出会って、そんなにいろんなことは起こらない。それぞれが少しだけ人生を考える。ただそれだけのお話だけれど、踏み込みすぎないところが心地よくて、いつまでも読んでいたかった。

 

 

 

こちらは痛ましいまでに編集に命をかけて実際死んじゃった人の本。

最もフォーカスが当てられているあのガロの事件(以降も、いろんなことがあったと聞く)に関して書いたというのが話題になっていたけれど、それよりも奥様のやまだ紫さん(すばらしい作品を作る人でした)が亡くなるにあたって、ただ愛を語り取り乱す昭和の男の人の切ない胸のうちと、そしてどんなにひどいことを書こうと努力しても、まんが家さんたちのことを絶対に尊重し、創造の自由に対して徹底的に敬意を払っているこのあり方こそが、編集者だと感じ入った。

もちろん最後までちっともすっきりしないのだが爆  笑

今は機械が発達してネットも普及して、ひとりでみんなできるような作業だったり、かんたんなことだったりする編集作業がまだ手動だった頃、命をかけて生活もつつましく全てをかけていた人たちがいた。

つまりもう毎日が「コントが始まる」以上に濃く厳しく優しい青春なのだ。

そのことにこちらこそが敬意を感じずにはいられない。

こういう人も人たちもきっともういなくなる時代だろう。今、うまく立ち回れないまともな編集の人はみんな大変な苦境にいるだろうし。

でも、この本を作った狼さんみたいに、いい本をこつこつ作る人は必ず存在する。

 

 

これを機に、私もやまださんの作品を読み返そうと思う。

 

山田違いですが、私が青春を捧げたまんが家さんのひとり、山田ミネコさんの「最終戦争シリーズ」が電子化されているしKindle unlimitedでたくさん読めるので、まとめて読んでいるけれど、ほんと〜うにすごい。少女まんが度ゼロ!面白すぎるし、すばらしすぎるし、絵もすごいし、偏りもすごい。

捧げてよかった。間違ってなかった。今でもたまに意味なく「ペレランドラに帰りたいな〜」と思うくらい影響を受けた。

 

 

 

引きこもり効果で思わぬ収穫や仕事の進みもあり、ものごとはいつもちゃんといいことも悪いことも半々にあるなと心から思う。片方だけのときは決してない。

ちなみにまだ骨折部位が痛いのとギプスの中が痒いのがよくないところ!

みなさまもよい引きこもりの週をチュー

酒は家で楽しくOK好きなお店はテイクアウトで応援しつつラーメンおにぎり

 

電鍋でがむしゃらに作ったスープとフレンチトースト

同じく電鍋で作ったがむしゃらなでかさの茶碗蒸し。レシピは前回ご紹介した森下美津子さんの。これからたたいた梅を載せます照れ