小説の内容もそこそこ小さいが(そこそこじゃないかも)、毎日に対する希望はもっと小さい。

今日もみんなぶじでありますように、なるべく楽しく。それだけだ。

だからなのだろうか、ジムにも行かずジョギングもせず、あえて遠くのスーパーにこつこつ歩いていくのが楽しみという…!

でも値段の違いを比べるなど、とてもためになる行為だと思っているし、奥が深い。

今は自粛期間なので、仕事であまり出かけない分「肉はここで、魚はこちらで」というのができる、貴重な時期なのだ。しかも歩いて。いい運動。

家からものすごく遠い(徒歩20分くらい)けれど、下北沢には「MIYATAYA」がある。ここに行ったらたいていは鼻歌まじりで帰ってくるっていうくらい安くていい肉ばかり。

そして帰りに駅前の成城石井のおそろしく辛いジンジャーエールを1本買う。辛いといえばウィルキンソンの辛口が有名だが、そんな生やさしいものではない。攻めてるとしか言いようがない辛さ。そしてバランスがいい。飲料の味のバランスはとても大切。

これに氷を入れて、ちょっとだけジンを入れると最高で、しみじみと飲んで歩きの疲れを癒すのがとっても幸せ。

 

 

こんな小さな幸せをしみじみと噛みしめる人生。石川直樹さんのすばらしいこの本を読んで、「オレって行動範囲小さすぎないか?まあ、比べる相手を間違えているな」とかえって気楽に。K2とか一生行けないし、そもそも行かないし。エベレストのふもとに行ったのが人生最高に高い場所だった。それでもふもとだけど。鼻の頭の皮が日焼けでむけたし(耳なし芳一のように、うっかり鼻だけ日焼け止めを塗り忘れた)、夜中に気づくと息が止まっていたけど(酸素が薄いから。起きている間は必死でいつも深呼吸をしていた)。もう絶対ムリ。よかったのはもちろん景色と、芋がおいしかったことくらいだった。みんなが「なかなかいける場所じゃない、行こう」とか行ってちゃんと高地順応したりしているのに、「いいよ〜、カトマンズでのんびりしてるから、毎日スワナンブヤートのカフェでお坊さん眺めたり、経典を見てるし」と最後までグズったインドア派の私。あまりに勧められて逃げられなくなり、行ったらみんながバタバタ倒れ出してびっくりしたけど、なぜか低め安定のまま降りてきた私。崖が多すぎていつもはじっこに張りついてゆっくり歩いていたのもよかった(あまり酸素を使わないから)。

だから、こんなにもうまい文章で、体験を描いてくれることがありがたくてありがたくて。

一度お会いして握手させてもらったら、その手の硬さに感動した。これが死に近い場所に行き、生きて帰ってこれる手なんだなって。

このインタビューもいい。私も近所をうろうろしているだけでも、無限の心の広がりを持とう、せめてそのくらいは照れ

 

 

みなさまももし見つけたら、ぜひ飲んでみてくださいね。度肝を抜かれます!

よい1週間になりますようにジュース

 

いちごのおいしい季節ですねいちご