私にとって世界一かっこよかったおじいちゃんが93歳のお誕生日にうなぎをひとくち食べて、にっこり笑って握手して翌日夕方眠ったまま去っていった。
見事すぎてなにも言えないくらいの去り方だった。
もっといてほしかったけれど。
知らせを聞き、きっと自分は覚悟していたし落ち着いて会えると思っていたのに、いつも通ったマンションの入り口を入ったらもう泣けて泣けて、自分でもびっくりした。近所にいてくれて嬉しかったなあ。
介護に通い続けた夫はほんとうにえらかった。男同士で介護はなかなかできないのに。でも今となっては全ての思い出も、そのたいへんさも、もっともっと続いてほしかった。もう永遠に生きてくれてもよかったくらい。
那須にいた頃は毎月のようにいっしょに温泉に行き、思い出はつきない。
とにかく立派な人だった。
そしてそのタイミングでどんどん外向きの仕事が入ってきた。きっと神様が私たちをそっとしておいてくれたのだろう。
昨日はこの、好きなものをちょっとずつ食べることができる夢の店で仕事の打ち上げ。
今日は今日とてこの、素材を最高に活かしたイタリアンで打ち合わせ。
焼きたてのフォカッチャ!
いつもこんないい思いをしてるわけではなく、たまたま会食が(しかもどちらも久々の方たちと)重なったのだが、きっと神様がおじいちゃんの不在に嘆く私をねぎらってくれたのだと思いたい。俺もねぎらってと夫の声が聴こえてくる気がするが…おいおいね
お葬式を「金子総本店」(地元!)にお願いしたら、金子マリさんがお花を出してくださった。担当の佐藤さんや社員の方がずっと親切に冷静に明るく疲れを知らず寄り添ってくださり、心細さも悲しさもなにもかもが軽くなった。なんていい葬儀屋さん!
「私もお願いするから佐藤さん長生きしてください、KenKenにベース弾いてもらいたいです」と取り急ぎお願いしておいた(ムチャぶり!)。楽しみ!自分は見れないけど。原マスミさんにも歌ってもらいたいけど、年齢からいくと私のほうが後になりそうだしなあ…
じーじ、心から尊敬し、愛しています。「お誕生日おめでとう」で別れさせてくれて、ありがとう
泣いてばかりもいられない。仕事はがんがん入ってきている。本もダイアリーも出るし、これはとある映画のプロジェクト。まだまだこれからなのでいろいろ内緒ですが楽しみ〜
帯が豪華すぎる姉の本。姉の闘病記でもあり。死にかけてるのに冷静だし笑えるし正しいし、すごい傑作だと思う。身内をほめるのもなんだが、姉の理系っぽい感じがよく出ていて、迫真のルポ&思想の形だと思う。
自分の新刊もいちおう宣伝しておこう。原マスミさんの表紙もすごい!私もまだまだ続きを書くから、原さんやっぱりうんと長生きして私のお葬式で歌ってください。
泣いたり笑ったり食べたり移動したり、アイリーンちゃんや声ちえちゃんにも会ったり、コロナのことを忘れそうな気持ちも体も忙しい1週間だった。2キロくらい太った気がするんだけど、だんだん減らしていこう…
生きているうちに、いろんなことをして、おいしく食べて、目の前の人と幸せに過ごしましょう。
みなさんに穏やかで良い時間がたくさんありますように