石濱さんの料理に惹かれて、ほんとうに大阪のお家まで食べに行ったことがある。
あっという間にインド料理を15人前くらい作ってしまうので、近所の人が集まり、すぐパーティーになる。キャベツやカリフラワーとスパイスだけの料理までおいしい。
とにかくスパイスの達人で、たまにサクッと調合したのをくれる。使うと自分の家で作ったとは思えない、ものすごくおいしいのがすぐできる。
彼の弾くシタールの音と料理はよく似ている。
思ったことと合理化の間に迷いがない。
いちど、とある店の話になったとき、彼は言った。
「よく勉強してはるし、確かにおいしい。でもなんか惹かれへん。また行きたい!とは思わないねんな」
惹かれる、そこに重きを置いているのがすばらしい。

ユザーンのタブラのすごさは説明するまでもない。正当な考えで正当にその楽器を学び、たくさん練習して、インドの師匠のもとに通い続けて今に至った、心底まじめな誇らしい友だちだ。
味にも妥協はない。彼がおいしいと言ったらほんとうにおいしい。

ふたりで作ったというレトルトカレー。あまりに本格すぎて、下手な店よりおいしいくらいラブ
羊肉が嫌いならもちろんむりだけど、いい肉がたくさん、スパイスふんだん!
米なしでもおつまみで食べられるくらい。
この外食困難な時期、重宝してます。

だから、ただ1日が平和に終わってゆくだけでありがたい。
みなさまも、どうか平和な夜を!
悲しみの中にある人にも、優しい時間を!
同じ空の下で虹ただ祈ります。