ハナレグミ(ことタカシさん)の声と歌とリズム感の異常な良さは素人の私にもわかる。彼が歌うとどんな言葉も意味を持って深く深く心に入ってくる。この表現の才能と、歌がうまいことが両立していることがどんなすごい奇跡か(たいていみんなどっちかしか持ってない)、これも素人の私にもわかる。あまりにもうますぎて時が止まってしまい、才能を浪費するかしないかのそのギリギリで、タブラの音を完璧なバランスで入れることにより、ユザーンがコントロールしていた。コントロールと言っても、自由を奪うのではない。自由に歌うためにサポートするのだ。
この夜のふたりのライブは、人生になかなかないほどの、名ライブだった。写真は撮れなかったので、ちょっと前の。
いつもユザーンのすてきな舞台衣装を作っているセンス抜群の人が、私が着ていたこの服を見て「あ、それ俺も持ってる」とおっしゃったのだが、ただでさえ古着のこんな特殊な服がこの世に何着もあるなんて、とても信じられない
そんなユザーンとシタール奏者石濱さんの本。この通りに作るのはスパイスやオイルの点でなかなかハードルが高いが、ユザーンのすばらしい論理的な文章と、石濱さんの「個人の頭の中にこんなにたくさんのレシピがさらっと入ってるなんておかしいだろう?」という天才ぶりがぎゅっと詰まっているから読むだけで楽しい。この人の料理はおいしすぎて、私はわざわざ大阪で彼の家に行ったほど。店をやると繁盛しすぎてシタールが弾けなくなったのでやめたそう。たぶん修行もきちんとしていないし、ベンガル料理屋を目指したわけでもないのに、さらっと料理を作ってしまう彼。才能というものについて深く考えさせられる〜
ふゆかりんとしみじみおでんでもということになったのだが、「あと1時間で閉店ですけれどいいですか?」と言ってからの、お店の人のものすごい片づけぶりといったら、もうそこに人類(客ですらない)がいるということを全て忘れ去ったかのようなスピード感だった。結局閉店10分前になにがなんでも店を出されたんだけれど、あれほどの露骨さもなかなか見ないのに、最後までねばってなにかを食べて飲んでいた私たち。ドリンクのラストオーダーなんて聞いてないと言って(閉店20分前だよ)、「さっきのフードのラストオーダーがドリンクもラストだったんですよ!」と怒られながらも瓶ビールをいじきたなく頼んだりして、最後はお互いに笑ってしまった。
これは、ちえちゃんが地元から送ってくれたベアレンビール(日本のクラフトビールの中でいちばん好き)
原さんのライブも、ものすごくよかった。バンドも気合が入っていたし、歌もていねいだった。もうライブに行き続けて30年にもなるんだなあ。歌のひとつひとつが心の中にもう組み込まれているのがわかる。失ったものに関してあれほど完璧な表現をする人を他に知らない。かといって過去に生きてるのでもない。ひととき、過去という名の、死という名の夢の中で心が癒されていくのがわかる。久しぶりに別アレンジの「夢ならば簡単」を聴いたけど、やっぱり泣けた。そしてすっごいなと思ったのは、そのときバッグの中でばけたんが勝手に赤く光っていたことどっちがすごいんだかわからないが、すごい
ひょっこりはんって、最近なかなか見ないなあ。
マチルデさん(左)の家から発掘された若き日の写真。私も若いけど、ジョルジョが若くてかわいいでもみんな、今のほうがいい顔してる気がするのが、嬉しい
人生はあっというま、自分に向いてることもそんなにたくさんはない。ひたすらこつこつ生きるしかないですね。
少し肌寒い東京には、いい風が吹いています‼️いろんな空の下で(梅雨がない土地の人も)、いい時間を過ごしましょう