サスペリア

２月４日

私の人生を変えた映画、ダリオ・アルジェント監督の「サスペリア」。これがなかったら吉本ばななはいなかったであろうと思われる映画。

そのリメイクだと？しかもトム・ヨークだと？音楽さえ絶対ゴブリンを超えることはないだろうと思ってタッキーと仲良く観に行った。

しかし、グァダニーノ監督がどれだけ（私やタッキーやジョルジョや…その他たくさんの『サスペリア』マニアと同じように）元の映画を愛しているかが伝わってきて、ものすごく良かった。元の映画をほんとうの意味で超えているかどうかは別として、どれだけ愛しているかを伝えるという点において、監督は誠実すぎた。

全く違う映画なのだが、オマージュ（サラが着てる浴衣みたいなやつとか、マルコスの呼吸音とか、目が見えないスタッフとか、割れる鏡とか）に満ちていて、さらに「今の時代の最強ってなに？」というのをしっかりつけ加えていた。ピナ・バウシュが好きで、９０年代にレィディオヘッドを聴いていて、あの映画について何十年も考え続けた人にとっては、これはもしかしたらものすごい映画かもしれないと思った。

というのも、シンプルなストーリーを映像と音楽でなんとか魅了していた元の映画と違って、現代の正義が昔よりも複雑であることや、なによりも「美」とそれを希求する姿勢こそがこの世でいちばん強いものであるという哲学が、全編を貫いていた。ああ、びっくりした。全く心温まらないが、かなりいい映画だった。

ベルリンや冬のヨーロッパにいるときにしか感じないあの気持ち、「もうなんでもいい、孤独で美しければ」という感覚。それが映像の中にみごとに入っていたのもよかった。

タッキーと、通りかかったまりちゃんとお茶して帰宅。豚肉の生姜梅煮を作る。

犬と追いかけっこをしてむちゃくちゃ息を切らせている猫を日々見つつ、「キャットタワーを自分の部屋になら置いてもいいかなあ、運動不足も解消するし」などとおずおず言いだす夫、まるでキャバ嬢に「もう少し広い部屋のほうが休めると思って」と部屋を用意するおじさんのようだ。でも猫で済んで良かったと思い、うなずいた。

スピちゃんいいなあ、寄生虫が消えて！私はまだこれからチェックです。サイキックはいろいろたいへんだけど、厳密に生きることができるのはいいですよね。

「ツインピークス２０１７」はもう！私の中ではものすごく大切なドラマです。毎回のラストのライブ音楽もよかったなあ。

Yoshiくん、ありがとう。「吹上奇譚１と２」もぜひバンクーバーに（うそですよ）！

田村セツコさん、大好きです。私も観ました、その番組。すごくよかった、あの部屋。

いろんな国のいろんな人たち、いつもありがとうございます。いろんな気候や行事をのぞき見できて、嬉しい気持ちです。

千里、行ってますよ〜。前おじいちゃんがいた位置に今おじさんがいて、胸キュンです。

このブログに魔法がかかっているかどうかは別として、ありふれて、面白くない今日が、人生でたった１日しかない日だってことを伝えたいなっていつも思ってます。