7月16日ひまわり

 

今日は地味にひたすらにゲラを見て、文章を書いて書いてまた書いてという日なので、特にトピックがない。ないので、最近起きた珍しいできごと&対処のしかたは互いに法律ギリギリである(というよりももはや互いに法をおかしているが、独自に存在する『下町法』にはひっかかっていない 汗)書くのもスリリングだが、面白すぎた最近のできごとを書いておく。

 

グラサン

 

ヤマトの人が荷物を届けにきたとき、「携帯落ちてましたよ、ここ、玄関のまん前に」とiPhoneSEを渡してくれた。
息子のだろうと思い、ありがとうございますと受け取り、充電しといてやるかと充電コードにつないだら、それは全く知らない人の電話だった。しかもパスコードなしの丸見え。なので見ないようにした。

しかし、トップにLINEの通知で出ていたふたりだけたどった。履歴は一切たどらなかった。ひとりはドレッドで彼氏らしき感じ(名前にラブラブな形容詞がついてた)。もうひとりは女ともだちらしき名前。

このふたりのタイプを見るに、ファンではなさそうだ。

ここで私は悩んだ。

警察に持っていくしかないが、そうしたらこの電話を持っている若いおじょうさんは「不法侵入」だ(うちの門から玄関まではそうとう長いエントランスがあり、電話が落ちていたのは最奥なので、落として入っちゃうことはありえない。階段がある玄関の上の段に蹴りいれるのはサッカー日本代表くらいの実力がないとムリ)。

万が一私のファンで不法侵入だったら直接話して解決したいし、そうでなかったら単なる泥棒かもしれず、ここはかなり迷うところだった。

深く深く感じてみた結果、「これは単なるなにかの間違いで犯罪ではない」という感じがしたので、とりあえずその直近やりとりトップのふたりにその落ちた携帯のひかり(仮名)のアカウントから、全くトーク履歴を見ないようにしながら、「ひかりさんが携帯を落とされたようです。パスコードがないので通知で出てきたおふたりにメッセージします。あまり時間がないので今日中に警察に持っていってしまいますが、うちの敷地内のかなり奥に落ちていたので、不法侵入を問われるのは確実だと思います。よかったらご連絡ください。私の携帯はこの番号です」と送ってみた。

家事などいろいろ終えて、連絡ないな、さて警察に行くかと思ったら、ひかりちゃんの女ともだちから電話がかかってきた。

アキ(仮名)「あの〜、私、ひかりの友だちなんですけど、なんでおたくにひかりが侵入したかはどうしてもわからないんです〜」

私「そうなんですよ、でもとりあえず警察に持ってくしかないんで、持っていきますけれど、携帯の位置が道に少しも近くなく、私道のしかも、意志を持って開けないと通れない門の奥まで入っているので、不法侵入で長く拘束されるのは確かなんです。かわいそうかなって思って無断でLINEしちゃいました」

アキ「ほんっと、ごめんなさい〜、ひかりがかわいそうなんで、もしよかったら、私、取りに行きます!今祖師ヶ谷大蔵(仮)でサロンの仕事をしてるんで、下北までお昼休みに行きます〜、ほんとはひかりに行かせたいんですけど、そういうわけで携帯ないから連絡つかなくって!」

私「わかりました。1時間後に駅の改札に行きます」

あと残された謎はなぜ彼女がうちに入ってきたかだ。だって、門から2メートル以上奥にある場所に携帯を落とすってよほど入る気がないとむりだから。

とりあえず私は犬を連れて駅の改札に向かった。

ちょっとドキドキしつつ、心の中で、サロン、エステかネイルかヘアか、どれにしてもわかる〜!あのしゃべり方は、今30代か20代後半の元ギャルのしゃべり方!けっこう夜遊びもしてるなと思っていた。

やってきたのはマスクをしたストレートロング茶髪の、絶対美人とわかる人。

アキ「あの〜、ほんとすいません!ひかりが超ごめんなさい!あ〜、子犬!超かわいい!かわいい!写真撮ってもいいですか〜、超かわいい!」

犬「きょとん」

アキ「わ〜、きょとんとした、超かわいい!かわいい!」(写真撮りまくり)

私「よかったですね…」

アキ「あ!ちょっと待ってください!今、ひかりから連絡があって〜、どうしても直接あやまりたいって言ってるんで、代わってもらってもいいですか?」

私「はいはい」

ひかり「わ〜!超ごめんなさい!私、昨日超酔っ払ってて、彼氏の家と間違えてお宅に入っちゃって、超わからなくなってて、ほんっとごめんなさい!」

私「いえいえ、わかってよかったです」

ひかり「あの〜、今って、ほんとうは私が行くべきだったんですけど、私今日超二日酔いで、ほんっとごめんなさい!」

私「はーい(そりゃ二日酔いでしょうねと思いながら)、これから気をつけてくださいね。勝手に携帯見ちゃってごめんなさい。警察に突き出したくなかったんで。トップに通知で出たおふたりにメッセージした他は一切見てないので安心してください」

ひかり「もう、ほんと、私が悪いんで、ぜんぜんです〜!ごめんなさい、ありがとうございます〜」

私はアキちゃんに「ひかりになんかおごってもらいなよ」と言って、笑顔で別れたのであった。

平和でよかった…!

 

シャンパン

 

あたしはお兄ちゃんがとにかく好き。起きてるとうるさがられるから、お兄ちゃんが寝たらすぐにくっつきに行くのよ