6月29日晴れ

 

赤坂とだの3周年記念の特別な夕ごはんに行った。

秘密のメニューとして、キャビアを卵黄の上に乗っけてレモンを数回に分けてかけ、口に入れてしばらくおいて全てがとろんと溶け合ったときに飲み込み、スプマンテを飲むと味がじわっと混じる…というのがあって、芸術的な味わいだった。和食屋さんだからふだんはないのでほんとうにスペシャル。

戸田さんはどんなときもプロフェッショナルで、食材に対する知識もどんどん進化していっているのでお店の成功は当然だと思う。

 

ボトル

 

よなよなの集い」のための撮影をいっちゃんにお願いして、まみちゃんといっしょに写真を撮ってもらう。
このサロンには男の人が全く関心を示さないので、まみちゃんが「男を寄せつけない女たちの写真」と言っていた…。

とても好きなふたりで、常にくっついていたいほどなので、1日が終わらなければいいなと思うような幸せな午後だった。
撮影が終わってうちに寄ってもらう。犬おおはしゃぎ。
寝不足の眠気と相まって、ますます夢のようだった。

ちょっとした旅に出て、海で泳いで、宿に帰って夕飯前におしゃべりしているような感じだった。

 

コーヒー

 

件のピアニストについて、未だにだれにも真実はわからない。なにせ間に入った人が死んじゃっているから。

たぶん年齢的にも「別人だろう」ということで落ち着いてはいるのだけれど、だとしてもそんなに変わった人で、東北の人で、親がお金持ちで学生なのに一軒家を借りてグランドピアノを買ってくれるような人で、名字も同じという人がふたりもいること自体がすごくこわい。

いつかわかるといいな、真実が。
きっとどこからともなくわかるのだろう。そうしたら知らせます。

 

えーん

 

梅しごとや味噌仕事が驚異的に苦手な私。

継続してなにかを見ていくことが全くできないこの性格。すぐ寝てしまったり、気づくと雨で全部パーになったり、砂糖をケチってカビさせたり。酵素シロップにすると混ぜ忘れて淀んだり。
しかし生梅が20キロ送られてきたのでほんとうに嫌で泣きながら洗って干す。この世の全ては適材適所であってほしい。日持ちしない生ものがなんの連絡もなく大量に送られてくるというのは、旅が多く、常に書きものがしたくてしかたない私にとっては泣くほど嫌いなことなのだ。

ちなみにさやえんどうの筋をむくのも嫌いだし、山盛り採れたゴーヤのわたを取ったり、里芋を大量にむくのもいやだ。私には向いていない。最高1キロくらいであってほしい。個人の家庭の冷蔵庫に入る量でないと…。マチャアキの離婚の理由になっただけのことはある。
パン種がゆっくり発酵するのは意外に待てるので自分でもわけがわからないが、時間を奪われる感がどうにも苦手で、泣き出したら止まらない。いろいろなうさがたまっていたのだろう。そういうこともある、それが生きているということ。

だれしも、他人から見たらなんでもないのに、ものすごく苦手なことだってある。

だから人は人を助けることができるのだ。
梅には弱くても、作文で困ってる子たちをいつも助けてきた私だ。

小さい頃から「今日はとんかつ食べに行こう」などと約束していても、家に急にお客さんが来たり、急に生ものが送られてきて、母もマックス不機嫌になり、楽しいことがみんなドタキャンになるのをくりかえしてきたのと関係あるかもしれないな。

いっちゃんに出会った日、急に送られてきた10キロのケジャン(これ、おかしいだろう!)をどうしようもなくてマジ泣きしていたら、笑顔で「アメフトの飲み会に持っていきますよ!」「持ち込み大丈夫な店なんで大丈夫!」とたくさん持っていってくれた。
そのあと夫が近所に配りにも行ってくれてなんとかはなったのだが、3日間ケジャンを食べ続けてもう少しで嫌いになりそうになった。

そしていっちゃんはあの日からずっと天使のままだ。
まみ子「梅は…どんぐりとかまつぼっくりと同じで、そもそもそのへんに落ちてるものだから、別に捨ててもいいと思う」

なんて私を楽にしてくれる発言を!昨日来てほしかったYO!

とりあえずいちばんてきとうにできる炊飯器、冷凍梅、砂糖、保温バージョンで作ったら、信じられないくらい酸っぱい甘露煮ができたが、酸っぱいからこそすごく爽やかでよかった。しばらくは梅干しの種を呑まずに酸っぱい甘露煮を食べ続けよう。