6月26日
私が20年前から通っている歯医者さんの大先生はほんとうに立派な人で、どんなむつかしいことになってもなんとかしようとしてくれる。1回も痛みを感じずに親知らずを抜かれたときなど、抜けたでっかい歯を見てくらくらしながらも、思わず拍手してしまったほどだった。
今日もとなりのおばあちゃんが歯槽膿漏になりかけていることがわかったときに、あまりにも心のこもったアドバイス(『なんとなく怖い、これからどうなるんだろうと思うよりも、少しずつ、現実に即してケアしていって、長く歯をもたせるように気持ちを構えてください』)をしていて、感動してしまった。
感動どころではない状態で血まみれになりながら歯科衛生士さんに歯石を取ってもらったり、機械で歯を磨いてもらったりしていたのだが…。
今はその大先生のスピリットを受けついだ息子さんたちも医院にいらして、往診をしたり近所の人たちの歯のために力いっぱい、家族全員で治療をされている。頭の下がる思いである。
そして先生は常に歯しか見ていない。
私がどんな服を着ていようが、どんな髪型をしていようが、何歳だろうが関係ない。
「吉本さんはきっとお茶をたくさん飲むんだね、少し歯に色がついている。研磨の成分が弱い自然派の歯磨きだけでは足りないのかもしれない」
「吉本さんは子どもができてから歯に対する意識が変わった、ほんとうにえらいです!」
「今回の口の中を見るに、とてもいい状態です。歯のケアをする時間もあり、あと一息磨いてみようかと思うような…豊かな感じです。50歳過ぎた歯茎とは思えない」
「よく磨けているけれど、いつも同じ場所に歯垢がたまりやすいな…かかと磨きって知ってる?」
別に女として見てほしいとは思っていないが(笑)、あまりにも歯しか見ていないのでいつもものすごくだらしないかっこうで定期検診に行ってしまう。
晩ごはんは高松の直美さんがお供えのお花のお返しに送ってくださった讃岐うどん。書いてある通りに作ったらほんとうにおいしかった。
そしてその誠実さをエッセイに書いた戸倉眼科の先生のお友だち、ゆぴと農園の方から「書いてくれて嬉しかった」と信じられないくらいおいしいマンゴージュースが送られてきたので、最高のデザートとしていただいた。
いただきものばっかり!